第33話 奴隷解放

 俺はフランカに肩を軽く揺すられて目を覚ました。どうやらスキルについての考察をしている最中に寝てしまったようだ。疲れが溜まっていたのかな?


「お師匠様!お肩をお揉みします」


「ありがとう。でも俺はフランカの事を弟子とは思っていないぞ。共に命を託す仲間だと思っているんだ。でも疲れているから助かるよ」


「分かっていますよ!私が勝手に師匠って呼ぶだけですから。しかし、妙な凝り方ですね」


 10分位マッサージをして貰い、風呂に入ったが、やはりフランカに肩を揺すられて起きた。


「お師匠様?大丈夫ですか!?もうお風呂を出てちゃんとベッドで寝た方が良いと思いますよ!」


「ごめんごめん。本当に疲れているようだな。じゃあさくっと出て寝ようかな」


 そう言いフランカの前で湯船を出ると、慌てて出て行った。変な奴だなと思いつつ、寝間着を着て横になると直ぐに意識を手放した。


 朝目覚めるとゼツエイがいつの間にか部屋にいて、空きのベットで寝ていた。俺は真ん中のベットで隣のベッドにはフランカがいる。妙に頭が痛いが、ベッドから落ちて頭でも打ったのだろうか?


 そう言えば生々しい変な夢を見た。

 誰か分からないが、俺の横でとても美しい女性が寝ていて、俺にキスをしてきた。俺は思わずその女性を抱き寄せて、更に体勢を変えて後ろから抱きつき、思うがままに胸を揉んでいた。夢だから良いよね?それに夢だとはいえ向こうからキスをしてきたのだから良いよね!?


 段々エスカレートして行き、まあ夢だから最後までしよう!と思っているとフランカに似た声がした。


 「今はまだ駄目なの!ごめんなさいね!」


 そう言い俺の頭を剣の柄で思いっきり殴って来て、そこで夢が終わった。


 寝起きに痛む頭を押さえながらヒールを掛けると痛みが引いてスッキリしたので、着替えて食堂へ向かった。

 今後の事について皆に意見を聞くも、俺の決定に従うと言うだけだ。既に俺の心は決まっている!


 「今後の方針と、今日の予定だけど、誰か意見はある?」


 誰も何も言わないので話を続ける。


「取り敢えずこの前教えて貰ったなんとか言う島に行こうと思うんだ。まず今日はこれからギルドでキングの換金と依頼達成報告かな。確か別の町の依頼達成報告も大丈夫だよな?島に行くのにまず港町に行かなきゃだけど、どうやって行くのか誰か分かる!?」


 ミザリアが手を上げた。


「その港町には行った事が有りますわ。街道を南に進むと途中で一度交差点がありますが・・・」


 等々行き方を説明してくれた。


 歩きか馬車か?となり、キングの素材を売ったお金で馬車を買うお金が出来るのでは!?となり、ギルドへ向かう事となった。俺が港町を目指すというのは、皆そうなると確信していたようだ。


 食後一度俺の部屋に集まって貰った。スキルの説明をする為だ。


「先のオークキングから得たスキルの説明をするよ。まずこれだ。」


 そう言い転移してミザリアのお尻を触り元の位置に戻る。ミザリアがキャッ!っと短い悲鳴あげるた。


 「どうした!?」


「あ、えっ!?あれ!?何かが私のお尻を触ったのです。けれども後ろに何もいないです!えええ!?」


「ははは。俺が触ったんだよ」


「どうやってですか!?友安様の位置からでは、とてもではないですが無理ですわよ!」


 俺は皆の注意を逸らすべく、横にこっそり物を投げて、皆がそちらを向いた瞬間ミリアとイリアの後ろに回り、お尻にぷすっと指を突いて浣腸をくれてやる。そうしてぎゃーと言う悲鳴を上げさせ、しれっと元の位置に戻る。


「どうした!?誰かに浣腸でもされたのか?」


 ミリアがお尻を擦りながら


「どうしてそれを!?」


「だってやったの俺だもん」


 イリアもお尻をさすっている。


「見えない手ですか!?友安様はついに存在そのものが卑猥になったのね?」


「違うわい!よく見ておけミザリアの目の前を」


 俺はミザリアの顔のすぐ前に転移して、大いにおどろかせてから元の位置に戻った。


「空間転移と言うんだ。見えている所になら、こうやって転移できるんだよ」


 皆が絶句しているがそれには構わずに、続いて隷属契約にて皆を驚かせた。


「それとこれだ。ミリア、イリアじっとしていて。契約解除!」


 首輪に触れてそう一言言う。言わなくても良いが、何をしたか理解させるのに発したのだ。首輪が外れ床に落ち、ドサッという音が鳴り響いた。ミリアとイリアがお互いを見つめて首を確かめる


 ミリアとイリアが同時に叫んだ。


「えええええ!!首輪が外れたよ!外れたよー!うええええん!」


 そう俺に言い、泣きながら抱きついて行く。但しミザリアにだ。俺は身構えていたのだが・・・

 ミザリアがそっと2人の背中を擦りしばらく泣かせ、落ち着いた頃を見計らい隷属契約の事を説明した。オークのコロニー殲滅の時にキングが持っていたようだと説明し、やはり皆を絶句させたのであった。


「ミリア、イリア、俺に感謝しても良いんだぞ!今後の事だが、君達はどうしたい?一緒に行動を共にするか?それとも俺の元を離れたいか?君達は自由だ。これからは奴隷としてではなく、1人の女性として生きるんだ。出来れば一緒にいて欲しいけど、無理強いはしないよ」


 ミリアが質問した。


「友安様は私達にどうして欲しいのですか!?」


「俺はミリアもイリアも女性として好きだ。だから一緒にいて欲しい」


 次にイリアが意味不明な事を言った。


「し、仕方ないわね。友安様がそこまであたし達の事を愛しているって熱烈にプロポーズするんだもん。そ、その結婚してあげるわよ!良くてよね?ミリア」


「はい、私達の身も心も出会った時から既に友安様のものですわ。お慕い申し上げる気持に変わりありませんわ」


「うーん、若干妄想が入っているようだけど、改めて宜しくな!一般人さん!俺の大事な2人の女神様!」


 今度は俺の方に抱きついて泣きじゃくっていた。そんな2人を優しく抱きしめ、暫く頭を撫でてあげるのであった。


 俺はそうは言ったが、2人が俺の元にいてくれると言うのでとても嬉しかった。3人しかいなかったら熱烈なキスをしていただろう。2人はまだ中学生位だが妙に大人びている。顔は物凄く整っているが、如何せん体がまだ幼児体型というか、本当に子供なので、正直性的な対象としてはとても見れない。でも人としては好きだった。


 ミザリアにしろ今は変異に備える大事な仲間だ。先ずは生き残ろうと、変異の対処後にちゃんと女性として見てあげて、俺も仲間じゃなく1人の男としてちゃんと向き合って行かなきゃなあ!と少しずつ思うのであった。

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