第26話 案内
道中馬を休ませていた時にイリアとミリアが入れ替わるが、何気に俺もお尻が痛い。イリアもお尻を擦っていたな。
一応クッションを引いているが、ダイレクトに尻に振動が伝わるから痛いのだ。先の乗り捨てた馬車は、クッションがしっかり効いていてあまり痛くは無かった。どうやら指揮官用のを奪ったらしく、他のとは違い高級な馬車だったらしく快適だったが、この馬車はそうもいかないらしい。
俺の隣はミリアとミザリアだが、2人はじっと耐えている。
そうしていると依頼を出した町に着いた。ちょうど昼食の時間帯なので、今行くのは失礼となるからと、昼食を食べてから向かう事になった。
ゼツエイとミザリア以外はひたすらお尻を擦っていたな。って俺もだが。
「かかかかか!慣れぬと乗り合い馬車は痛かろう。それで馬車にするのを賛成したんじゃ。これからちょこちょこ旅などで馬車に乗るでな。慣れておくんじゃぞ」
そんな事を言われていた。余りにもお尻が痛いので、何を食べたかについて覚えていない程だった。ランチだったのしか記憶にない。
ミザリアさんが言うには、恐らくミリアとイリアは特に厳しいからと、色々理由を付けて俺の膝に座らせたという。なる程と思った。確かに逃避行の時も後半はダウンしていたしな。俺の膝上で道中の半分を過ごした所為か、俺やフランカ程痛そうにはしていなかった。ヒールを使えば治りそうだが、今はゼツエイが禁止した。戦闘の直前まで止めるようにと言われたんだ。馬車に慣れるのに必要な痛みなのだと・・・
昼食後領主の館に行くも、生憎接客中だった。代わりに執事の1人が説明してくれた。そしてオークの出没情報がある所まで案内してくれた。初老のひょろっとした印象の薄い老紳士だった。
大した距離じゃないと言い、町の外れから10分位の距離に来ると突然告げてきた。
「1番多い目撃例はこの辺りでございます。後は宜しくお願い致します。それではご武運を。失礼します」
そして帰っていった。
さて困った。皆目見当がつかないうえに、俺はオロオロしていた。
「ミザリアどっちじゃ?」
「あちらに気配を感じますね。友安様どのようになされますか?」
「うーん皆さん因みに俺って今日が初陣って知っているよね?面と向かった時の戦力はともかく、今は役に立たないよ。警戒しつつ気配のする方に向かいましょうとしか言えないかな」
「ええ、そんな感じで大丈夫ですわ。では友安様、先頭は?」
「ああそうか、隊列か。ゼツエイさんとフランカで前衛。俺が中衛でミザリアとミリアが後衛、イリアが2人の護衛。で、護衛は前衛と時折入れ替えて負担を少なくする。フランカって攻撃魔法は行けるんだよね?中衛は俺と時折入れ替わり、ゼツエイさんとイリアが入れ替わって行く。こんな感じでどうだろう!?」
「そうじゃのう。パーティーを組んでの初戦闘はまあそんなもんじゃな。良かろう」
そうして隊列を組んで進んで行くが、30分程進んでも追い付かない。どうやら向こうも移動中らしい。そうしていると前方より何者かが接近して来るのが分かり、ゼツエイが接近を告げ、戦闘準備をするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます