第20話 夜襲
何かを感じて目が覚めると、何やら柔らかい心地良い感触が頭にあった。
何だろう?取り敢えず触ってみた。柔らかく弾力があり、そして温かった。
布地があるが、突起があるのが分かる。取り合えず揉んでみた。柔らかく至極の感覚だ。モミモミモミモミ!ああ!止まらない。暫く堪能していた。
「あっ!ああーん」
聞き覚えの有る女性の、それもセクシーな呻き声が聞こえた。
俺の意識が急激に目覚め、揉んでいるのが胸だとはっきり分かった。
それも見えている髪の毛からミザリア様だ。急激にヤバイヤバイと思い、手をどけようとしたが腕を掴まれそのまま胸に押し当てられていた。そういえば頭はホールドされている。ここはしれっと寝た振りであるが、暫くしてミザリアさんが起きた。
「えっえー!私ったら友安様を抱き枕にしているわ。いやーん」
等と聞こえたが、更に俺の頭は押し付けられており、その豊かな胸で圧迫されているので、もごもごだが何とか呻くのが精一杯だった。
「な、なんだ?柔らかいけど苦しい。くふっ!?」
「きゃー私ったら友安様になんて事を!ごめんなさい。私が抱きしめていましたわ」
漸く開放された。
「ごちそうさまでした。ミザリアさんに抱きしめられていたのか!どうりで心地良く寝られた訳だ!」
「ふえーん。はしたない事をしてしまいましたわ。このままだと友安様に嫌われるわ。ううう」
「な、泣かないで!大丈夫です。俺、ミザリアさんが大好きだから。胸、堪能させて頂きました。抱きしめられて胸じゃなくて心が気持ち良かったですよ。でも次は意識のある時に抱きしめて欲しいです。貴女の温もりをちゃんと心と体で感じ取りたいのです。照れているミザリアさんは可愛いですね!」
「本当に嫌いにならないのですか?」
「こんな素敵な女性を嫌いになる訳無いじゃないですか!大好きなミザリアさん!」
彼女は半べそだったので、涙を拭ってあげた。
「本当にお嫌いにならないのですか?」
「うん。大丈夫。それよりかなりセクシーな格好なので、俺の理性があるうちに服を着てくれるとありがたいです」
「あああ!いやーん。友安様のエッチィ」
そうして布団から出ると背中を向け、慌てて服を羽織っていた。
そんなミザリア様の色っぽい姿に俺は見惚れてしまった。
かなり薄いシャツにパンティのみだったので、刺激が強く、ボッチもはっきり見える薄さだった。ほえ〜!
シャツを慌てて脱いでベッドに置いてあった服を手に取って着替えていくものだから、その見事な双丘が見えてしまった。好みの大きさで、たいへん美しかった。俺は慌てて後ろを向くが、部屋にはお子ちゃま2人もいて、ようやく今起きた。
どうも酔い潰れた俺をミザリアさんが部屋に運んでくれたが、彼女もやはり酔っていて、着替える為服を脱ぎ下着姿になった所で力尽き、俺を抱き枕にして寝たようだった。
因みにフランカは部屋にちゃんと戻ったが、ゼツエイはというと、食堂のテーブルに突っ伏していた。ミザリアは着替えてからゼツエイを回収しに行くと言って、恥ずかしそうに部屋を出て行った。
イリアとミリアは下着のみで寝ていた。俺とミザリアの会話で起きたようだ。
「そんなはしたない格好で寝るんじゃありません!まだ夜中だからちゃんと寝間着を着てから寝なさい!」
そう言い、落ちている服を拾い掛けたが、異変を感じたので服を拾わずに革の服を出した。
「今すぐこれを着て身構えろ!早く!急ぐんだ!」
咄嗟に皮の服をイリアに渡し、もう一着はミリアに万歳をさせ、手荒になったが強引に着させた。そして自分の剣を出し、2人の剣も床に突き刺した。
ミリアに強引に着せた為、痛かった様でうっと呻いていたが、俺の雰囲気が変わったのを理解したのか、2人は黙って服を整えた。そして靴を履いて身構える。一応それ位の時間はあった。
「来るぞ!」
叫ぶと同時に窓を突き破って何者かが飛び込んできたので、既に身構えている俺が対峙する。
「扉を警戒しろ!来たら倒せ。貴様ら何者だ!?」
そいつは小柄だが軽業師のように軽やかに動いており、30歳位で痩せ型でハゲだ。
「うひょー!こりゃあ当たりだぜ!冒険者を1人殺せとのつまらん仕事だと思ったけどよう、ご褒美が待っているなんて、俺っちは俄然やる気が出たぜ。まあ恨みはないが、俺様の為に死ねや」
俺は訳が分からぬまま夢中になりファイヤーボールをしこたま撃っていた。外れた物は窓の外に派手に飛んでいく。
そして扉からも2人が侵入して来て、ミリアとイリアも戦いになった。
イリアとミリアの実力が判らないが、今の俺には2人に気を回す余裕はない。
俺は隙を衝かれ、投げられたナイフが肩に刺さってしまった。構わずファイヤーボールを撃ち続けると、漸くそいつに当たり火だるまになった。のたうち回っているそいつの胸に剣を突き立てて殺した。意外と呆気なかった。
2人には革の服を着せたが俺は普段着のままだったので、ナイフが刺さってしまったのだ。今の俺はけっこう間抜けな姿だ。
イリアへの加勢は不要だった。圧倒して止めをと言う感じだった為、俺はミリアの方を助けに行く事にした。背後からもう1人来ており、ミリアが斬られそうだったので、咄嗟に庇った為に俺は背中を斬られた。怒りに燃えるイリアがそいつに斬り掛かる。俺は痛みにくらくらしながら、ファイヤーボールでもう一人を火だるまにすると、ミリアが止めを刺した。イリアが戦っていた奴は慌てて逃げていった。
俺は肩に刺さったナイフを引き抜き、ヒールを掛ける。興奮している所為か不思議と殆ど痛みがない。
ミリアが慌てていた。
「ああ!怪我をなさっています。私なんか庇う価値などないのに、どうして友安様は・・・」
「後だ。2人共警戒しろ!」
俺はヒールを掛けつつ、死体になった3人の所持品を漁り、直接触れてスキルを奪う。今は何を奪ったかは確認している暇はない。そうしていると騒ぎを聞き付けた兵士が雪崩れ込んできたのであった。
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