現代ダンジョンへ挑む魔石召喚師

@katuniro

第1話試練の始まり





目的地に着いたようだ、冬の東京は寒そうだ。

夜行バスから降り立つと、冷たい風が顔を包み込んだ。



「ああ、冷えるな~」


右を見ると東京駅が見えていた。

写真のイメージより小さく感じる、辺りが暗いせいかもしれない。


それは、突然の事だった。



『人類の皆さん、試練を与えます。この試練を乗越えれば、人類絶滅じんるいぜつめつを回避できます』


「これは、どうなっているんだ」


『試練の始まりです』



頭に直に聞こえた声に戸惑うのは、俺だけではなかった。

周りの客も戸惑い顔で辺りを見渡している。


突然に目の前に半透明状のタブレットが現れた。



青木優あおきゆう


レベル 0


HP10/10

MP25/25


スキル

鑑定


魔法

火魔法1



クエスト 人類絶滅23:59



無茶苦茶クエストの人類絶滅の時間表示が気になる。

人類絶滅まで1日しかない現状に、絶望しか浮かばない。

クエスト内容が分からないのが痛い。


爆発音が背後から響く、振り返ると東京駅が崩壊していく。

急ぎ東京駅に向かうと無数の怪物が這い出していた。


そして惨劇さんげきが始まった、怪物は人を襲い始めた。


俺は、恐怖を始めて知った。


俺は死に物狂いに逃げ出した、後方から悲鳴が聞こえる。

咄嗟とっさに振り返ってしまった。その瞬間に誰かに突き飛ばされ転倒。


「痛い!」


右足首をひねった。どしどしと人が俺を追い越してゆく。

俺1人が取り残された。後方では怪物が襲った人間をもて遊んでいる。

俺もああなるのか、いやなりたくない。隠れよう。


横を見ると暗くて狭い路地を発見。

痛い足をかばいながら奥へ奥へと進んだが袋小路だ。

振り返ると怪物どもが通っていく。

物影に急いで隠れる。


音を出すのも怖い。しかし助けを呼ばないと俺まで殺される。


震える手でスマホを取り出し、警察に連絡するも繋がらない。


心臓の鼓動だけが激しく鼓動している。


2時間が経過しても、サイレンの音も聞こえない。

絶対に誰かが連絡しているはずなのに、何故なんだ。

ココに居ては殺される。待っても誰も来ない。

恐る恐る何度も見たが、あれから怪物は見ていない。

足を庇いつつ路地から出て、のぞいた。

怪物は居なかったので、逃げ出す事にした。


行く先々に死体があって、一度は嘔吐おうとをしてしまった。


そして倒れている怪物を見つけた。

すぐに俺の鑑定を発動。


ゴブリン


レベル 2


HP30/02

MP0


スキル

敏捷


状態:瀕死状態


俺の鑑定結果だ。


多分、怪物達の移動時に下敷きになったのだろう。

体に陥没した足跡が残っている。


火魔法を試す事にした。

何故だか火魔法についての、使用方法は理解している。


目の前に炎の球が現れ、ゴブリンに向かって飛んでいった。

着弾するとゴブリンを炎で焼き尽くす。

そしてゴブリンの死体を残す事もなく消えうせた。


その跡に光る物があった。拾うと5センチ程の魔石だ。

そして又、半透明状のタブレットが突然現れた。


青木優


レベル 1


HP20/20

MP50/50


スキル

鑑定 


魔法

火魔法2


隠れクエスト newモンスター討伐 終了


クエスト 人類絶滅19:23


レベルアップしたようだ。そして右足首の痛みも消えていた。



怪物を見つけると引き返して、違う道を移動して行く。


土地勘が無いので、東京駅に出てしまった。

そして東京駅で光る物を見つけた。

ダンジョンコア。

何故なのか分からないが、見ただけでダンジョンコアと確信。


又、半透明状のタブレットが突然現れた。


クエスト 絶滅18:39の項目が赤く点滅している。

これが、クエストの正体だと確信。


急ぎコアに向かって走る。すると近くに突然オークが出現。


炎の球をオークの顔面に当てながら、コアにも炎の球を当てる。

鑑定では、コアに少ダメージしか与えていない。

夢中で右手に持っていた魔石でコアを叩きつける。


コアと魔石が同時に砕けた。


青木優


レベル 10


職業:new魔石召喚師1


HP100/100

MP250/250


レアスキル

newBox


スキル

鑑定 


魔法

火魔法5


クエスト newダンジョンコアの殲滅せんめつ 


加護

人類を救いし者 



又、あの声が響く。


『人類絶滅を回避できました。新たな試練を与えます』


『新たな人類に幸あらんことを・・・』


オークが居た処に魔石が有った、拾い上げ鑑定。


オーク魔石レベル0


前回は魔石しか表示していなかったが、職業:魔石召喚師のせいかも知れない。


早速召喚する。


オーク


名:猪ノいのまる


レベル 0


HP100/100

MP2/2


スキル

強力


名前も思っていただけなのに表示されている。


身長は2メートル越えのデップリな体格で、顔も最初に見たオークより愛嬌がある。

しかし、顔は豚なので締りがないのも事実だ。

体をバシバシと叩くも、脂肪のかたまりでなく筋肉の塊で頼もしい。

そんな思いが通じるのか「ブヒブヒ」と答える。



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