第24話 看病 其の五
「で、何しているの?キミは……」
「⁉︎……えっ、あっ、いや、ね。なんか連絡きてないかなぁって、確認してたんだけど。」
「……」
「いや、ほら、大事な連絡とかだったら大変だしさ。」
「ふーん……」
雪音は瑞希のことをジト目で見つめる。
「いや、ねっ。あのー、休んでなきゃいけないのは分かってるけど、暇だったんですぅ‼︎
流石にすることなさすぎて、なんかすることないかなぁって……」
雪音のこちらを見る目に耐えられなかった。ただまぁ別に悪いことをしたわけではないのだが、彼女に見つめられると、こうなんか罪悪感が急速に増してきたのだ。
そして当の雪音の反応はというと……
笑っていた。
「ふふっふふ……あはははっ‼︎」
「えっ⁉︎」
雪音の反応に瑞希は困惑する。てっきり怒っているのかと思っていたのだが。
「あはははっ……いや、別にボク怒ってなんかないからね?いやぁーキミの反応が面白くてねっ?」
「⁉︎⁉︎」
「別にさ、休んでてとは言ったけど、何もするなって意味じゃないからね?暇になるのはわかるし、多少なりとも、パソコンいじったりさ?スマホ見たり、ゲームしたりするのは構わないんだよ?まぁ、体に負担がかかるやつはやめて欲しいけどね?
……というか、なに?ボクがそんなになにがかんでも休んでろとでも言うと思った?」
「……いや、別にそういうことではないんだけどね?ただなんていうか、なんか言われるかなぁって。」
「ふーん、なるほどねぇ。まあ?場合によっては、何かしらあったかもしれないけど?少なくとも、あのくらいならね。ボクが何か言うなんてことはないよ。いくらキミが風邪を引いていたとしても、何がなんでも口を出すって言うのはいやでしょ?
それに……ボクが本気でキミに何もして欲しくないなんて思ってたらねぇ……部屋から出るなんて許さないし何もできないようにボクがしっかりと監視するし、ずっとね?」
「……本気で言ってる?」
「……な訳ないでしょ。そもそもキミが傷つくなんてもっての外だし、流石に監禁なんてしないよ?」
「だよね。一瞬本気でビビったからな?」
一瞬、本気で信じてしまいそうなほどの説得力があった。あれ?本当にやってくるのでは?なんて思うくらいには真実味があったのだ。まぁ流石に雪音もそれを否定して、冗談だと言ってはいるが。
「ふふっ……流石に冗談に決まってるじゃん。本当にボクがやると思ったの?瑞希は。」
「なんというか、そう感じさせる何かがあったというか……」
「へぇー、まぁとりあえず昼ごはんできたから、さっさと食べよ?食べれるでしょ?」
「えっ、あ、うん。大丈夫だが。」
「それじゃあ、ほら冷めないうちにさっさと食べるよ。まぁ、無理そうだったら残してもいいけど、無理しないでね?本当に。」
話を当初のものに戻し、瑞希を連れて、リビングに戻る。
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