第6話 燃えそうな顔で

 お姉さんにしたマッサージ。


 お姉さんの声というからかいに負けそうになって、手つきが乱れてかなりふにゃふにゃな感じになったけど、なんとか最後まで欲望に負けずにやり切った。


 正直、なんどか飲み込まれそうになったけど……うん、よく頑張ったよ、僕の理性。


 お姉さんもからかってるだけだし、絶対にそう言う感じで言ってるんじゃないし。


 それに……そう言うのはちゃんとした関係で、ちゃんとしたときにしないと。

 僕とお姉さんではまだ、ダメなんだ。



「ふふふ~ん、あき君ありがとね~。う~ん、ナマでしてもらえたからお姉さん、ものすごく気持ちよくなれちゃった」

 軽くなった腰をポンポンたたきながら、お姉さんが気持ちよさそうに大きくうーん、と伸びをする。


 伸びしたときにおへそとかお腹とかがチラチラのぞいて……もう、本当に無防備すぎますよ、お姉さん。


 その、色々ありましたし……まっすぐ見れないデス。

「……そ、それなら、良かったですけど」


「も~、素直にお礼言ってるんだからこっち向いてよ! あき君の顔見せてよ!」


「いや、大丈夫です、本当に大丈夫です……はい、大丈夫」

 色々赤くて恥ずかしくてしんどくて、つんつんしてくるお姉さんのそっぽを向いてむぎゅむぎゅと答える。



「えー、お姉さん、さびしーなー? なんで見せてくれないの~? あき君の顔みして? みしてよ? あき君のお顔! みして!」


「やです、今はダメです……その、ちょっとだけ待ってください」


「えー、なになに? もしかして照れてるの~? 照れてるんでしょ~、あき君! 照れてぐちゅぐちゅになってるんでしょ~? ぬへへ~、魅力的なのは分かるけど、お姉さんに欲情したらダメだぞ!」

 ニヤニヤ笑いながら、そう言ってまたまたつんつんを加速してくる。


 だから、そのそう言うのが……もう!

「照れてません、そんなことなりません!」


「ん~、そうなの~? でもでも~、照れてないならこっち見れるはずだよね~? ぬぬぬ~……そいや!」


「ちょっと!?」

 何かを思いついたようにポンと手をうつと、グイっと自分の方に僕の顔をもってくるお姉さん。


「……そ、その、見ないで、ください」


「だーめ、見る。てやい!」


 恥ずかしくて、見られたくなくて顔を逸らす僕のほっぺをがっしりと挟んでぷにゅっとまっすぐ、逃げられない様に、逸らせないように。


 ぱっちりとニヤニヤした目でこっちを見てくるお姉さんと目が合う。



 ……今、絶対ダメです。

 絶対に見ちゃダメです。


 顔真っ赤だから、お姉さんのせいで真っ赤だから。

 熱くて、燃えそうで、溶けちゃいそうだから。

 人に見せられない、真っ赤でへにょへにょな……ダメな顔してるから。



「ふふふっ、顔真っ赤! やっぱりあき君照れてる~!」

 でも、そんな心の声なんてお姉さんに通じずに、僕の方をまっすぐ見たお姉さんはいたずらにクスクス笑って、ほっぺをふにふにしてきて。


 だから、もっと顔が熱くなって。

 もっと赤くなって、恥ずかしくて、でもどこか嬉しくて、燃え上がりそうで。


「ぬへへ、あき君また赤くなってるよ~? もっと照れちゃったかな、このこの! ふにふにふにふに~」


「……その、お姉さん、本当にやめて、ください……」


「むふふ~、やめるわけないじゃん! 嘘ついてた罰だよ、罪と罰! だからもうちょっと、ふにふにしま~す! ぬめめ~真っ赤な顔のあき君も可愛いねぇ~」


「……ほんとに、そう言う事言うの……やめて、ください……ほんとに」


「そんなこと言って~、嬉しいくせに? だってほっぺ、また赤くなってるよ~? もっと照れちゃってるの~? それともうれしい~の~? ぬふふ、あき君は本当に可愛いねぇ~」


「お姉さん、もう……やめて、ください……」


「何度言われても~、お姉さんはやめませ~ん!」


 羞恥と嬉しさと他色々な感情でぐちゃぐちゃになった、湯気があがりそうなほど真っ赤に染まる僕の顔。


 その顔をニヤニヤからかうように、楽しそうに見つめるお姉さんにふにふにと、延々と触られ、見つめられ続けた。



「ふふふっ、あーき君?」


「……もう、ダメです……」



 ☆☆☆

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