Column10 「卒業させていただきました」について
――この春、〇〇大学を卒業させていただきました、△△と申します。
ここでも「させていただく」が使われています。卒業したことを謙虚に言っているようですが、「させていただく」の用法を確認するとおかしいことに気づきます。
しつこいようですが「させていただく」は、許可する相手がいることが重要でした。その人に許されるから、私は〇〇をする。つまり、この卒業も誰かに許してもらったからできたわけですね。
確かに卒業は学校側が許してくれたからできたわけですが、解釈の仕方によっては「単位が足りなかったので、教授に頼み込んで何とか単位をもらった」と捉えられてしまう可能性もあります。
Column4の解説を思い出して下さい。
「させていただく」には許可してくれた人に対する感謝があることを記載したかと思います。つまり、△△さんが卒業をするために誰かに感謝をするようなことがあったと推測されるのです。
そのため、ここではストレートに「この春、〇〇大学を卒業いたしました、△△と申します」と言った方が、聴衆に対しての敬語になりますし、謙虚でありながらも自分の力で大学を卒業したと伝えられるのではないかなと思います。
次に続きます。
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