Column9 「とく」「とける」の解答編(前編)
解答の前に、問題に参加して下さった皆さまへ感謝を。
まず、応援コメントに書いて下さったゆうすけさん、柊圭介さん、ありがとうございます。反応があったお陰で出題者としても楽しむことができました。
またお二人の回答を拝見し、用意していた解答に少し内容を付加いたしました。いつも様々なことを気づかせて下さり、感謝申し上げます(*- -)(*_ _)ペコリ
また、応援コメントに書いていなくても考えて下さった皆さま、ありがとうございます。クイズを解くような感覚で楽しんでいただけたなら幸いです。
さて、問題に取り組んで下さった皆さま、答え合わせをいたしましょう。
1、片栗粉を水でとく。→溶く
2、チョコレートが口の中でとける。→溶ける/融ける
3、氷がとける。→溶ける/融ける/解ける
4、バターを室温でとかす。→溶かす/融かす
5、卵をとく。→溶く
全て「溶」と書いても正解でしたね。簡単だったでしょうか。それとも難しかったでしょうか。
さてさて、折角なので参加して下さった方の答え合わせを……。
ゆうすけさんは、4問正解ですね。自信がないと仰っていましたが、ほぼ全問正解です!
柊圭介さんは、3問正解ですね。半分以上正解です! 1と5は難しかったですかね。これから解説いたしますので、よかったら読んでみて下さい。
(今回正解数を本文に書いてしまいましたが、もし書かれるのがNGでしたら削除いたしますので仰ってくださいね<汗>)
そして応援コメントに書かなかったけれど挑戦して下さった方。そのなかで、もし全問正解した方がいらっしゃいましたら、おめでとうございます! 上記に関しての漢字の使い分けは問題ないと言えそうですね。
さて、どうしてこのような使い分けをするのか。一つずつ解説していきますね。
まず「溶」という漢字について。
形を見て分かる通り「
この点から、問題の1に当てはめることができます。
また、「溶」は「温度が上がって固体が液体になる」という意味でも用いられるので、2~4にも使うことができます。
次に、2~4は「融」も使えると答えには書いてあります。
それは「融」という漢字に「温度が上がって固体が液体になる」という意味が含まれているからです。チョコレートも氷もバターも温度が高くなると液体になりますよね。よって「融ける」が使えるというわけです。
現在は2~4のいずれも「溶く」と書くのが一般的ですが、古風であり由緒正しい漢字は「融」とのこと。小説で使う際は、どちらの方がその場面の雰囲気に近いか考えて使うのもいいかもしれませんね。
また、3に関しては「解く」と書くのも可能です。
以前『NIHONGO』でも、「溶ける・融ける・解ける」について解説したことがありました。下記に一部引用いたします。
(引用)
『新明解国語辞典』だったら、「氷がとける」は「溶ける」。一方で『三省堂国語辞典』では、「氷が解ける」としています。『明鏡国語辞典』『大辞林』『大辞泉』では、どちらも可としています。三者三葉ですね。
(『NIHONGO』 2022年2月Column2より)
今回は上記の辞典に加え、『漢字使い分けときあかし辞典』を参照いたしました。すると、用例だけでなく一歩踏み込んだ解説があったのでご紹介いたします。
『漢字使い分けときあかし辞典』では、「液体になる場合は『溶』を使うのは一般的である」としたうえで、「雪解け」という言い方があるように「厳しい気候が緩むことが背景にある場合には『解』を使うこともある」と書いてありました。
よく「電子レンジで『解凍』する」という言い方をしますが、この「解凍」は本来「冬の凍りついた状態が、春になってゆるむことを表わす(『漢字使い分けときあかし辞典』より)」ものでした。そのため、本来の意味を尊重して使うのであれば、「氷が解ける」は自然と溶けることを指し、「氷が溶ける」はそれも含めもっと幅広いものを示すことができることが言えそうです。
ちなみに3の回答は、「氷」だけけでなく「雪」にも対応します。
ここまで大丈夫でしょうか。
ちょっと解説が長くなってしまったので、一旦休憩しましょう。ふう。
……さてさて、最後は「卵を溶く」ですね。これがちょっと厄介。
次話に続きます。
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