DAYS

@moriko203

第1話 春①

・・・O・・・



春休み


今日は新しいクラスの発表の日だから


俺はゆるゆると学校へ向かう。


中3か・・・。


暖冬で早めのに咲いた桜をみながらゆるゆると学校へ向かう。



今年は一緒になれるかな・・・


ニシと・・・。



小学校の1~2年生の時以来


同じクラスになったことは一度もなく


疎遠・・・というほどでも無いけど


だんだん一緒に遊ばなくなり


お互いそれぞれの仲間ができた。


それでも俺はこうやって


新しいクラスになるたびに


同じクラスにニシの名前を探す。



玄関に新しいクラスが書いてある小さな紙きれが張ってある。


女子が何人か集まっていて


違うクラスになったことを嘆いていた。


俺はC組・・・マサユキと一緒だ。


ニシ・・・・



西野和也。ニシの名前がC組にある!!



俺は嬉しくて声が出てしまったかもしれない。


近くの女子が俺の方を振り向いた。



ニシとマサユキと遊んだ小さい頃のことは


よく覚えている。


俺は毎日二人と遊んでいた。


一緒にいる時はそんなに感じなかったけど


だんだん遊ばなくなると


懐かしくて


3人で遊んでいた時が


自分にとってすごく楽しい時間だったんだと思い知る。


特にニシは


何だろう


言い難いけど


波長が合うというか


ニシのように接しられる友達にまだあったことがない。


だけど


それは


俺の幼い日の中のニシで


ニシは変わったんだろうか?


俺は変わったんだろうか?


同じクラスで


また前のように一緒に話したり遊んだりできるんだろうか?


ずっと願っていた


「同じクラス」が現実になって


嬉しい気持ちが急に不安に変わった。



遠くで聞こえていたにぎやかな声が近くなった。


野球部がまとまってやって来た。


練習に途中に新しいクラス替えを見に来たようだ。


ニシ。


大勢の中にニシの姿を見つけた。


ニシと目が合う。


「おーちゃん!何組だった?」


ニシがにっこり笑って俺に聞いた。


「C組、ニシもだよ。」


そう言うと


「ほんと!?」


ニシは小走りで貼ってあるクラス名簿をみにいった。


俺より少し背の高いニシは


野球部の中では 小柄なほうで


声変わりも したんだかしないんだか


少し高い声なので 小学生のようにも見える。


日焼けして坊主頭なのに


逞しさのかけらもなくどこか華奢で


こんなんでよくバットが振れるもんだ・・・と思う。


うっすらニシにみとれていると


よくとおる低い声が耳に入る。


「おお~!!カズ、一緒のクラスじゃん!!」


潤だ。


ニシと同じ野球部の潤は


何かとニシに纏わりついて、ニシが大好きだと公言している。


潤がニシにガバッッと抱きついた。


女子がキャーっと小さな悲鳴を上げる。


「やめろよ」


ニシが軽く潤を振りほどく。


あいつめ・・・


ニシが迷惑してるの知らないのか・・・図々しい奴・・・。


あいつも同じクラスだなんて・・・・


俺の不安が大きく膨らんだ。

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