第9話隣の芝生は青く見える

既婚者の前提として考えるべきことの中に、守るべき家庭があるということがる。その大切にしている程度は人それぞれかもしれないが、家庭をもっているというのは、もはやその人の現在のパーソナリティを築き上げている上で重要な要素になっていることに違いはない。

結婚したからこそ得られた経験や知識がある。子供をもったからこそのものも、もちろんある。そして、配偶者や子供がサポートしてくれるからこそ、できることがある。その一つが婚外恋愛だとしたら、その人が誰かにとって輝いてみえて、ひきつけられているのは、その人のその人なりの家庭生活があるからだ。それでもって、輝いてみえるのはその人のパーソナリティのほんの一部であって、全てではない。当たり前のようで、忘れがちなことだと思う。

夫の欠点が相手にはない。夫ができないことをこの人はできる。すごい。こんなことも、あんなことまでできるし、知ってる。尊敬するところがたくさんあるとか、容姿がとにかく魅力的とか、恋にはまると、とことんいいところが強調されていく。でも、間違いなく言えることは、誰でも誰かにとってパーフェクトな人ではありえないし、結婚して生活を共にしてみたら違ったなんてことはゼロじゃないということ。多分、既婚してる私たちだからこそ、そのへんはよくわかっているはずなんだけど、恋してるときというのはどうしても見落としがちな点である。

そして、自分のこともまた、相手には素敵なところしか映されてないのであって、全てをさらけ出して、果たしてこの楽しい恋愛経験が継続できるのかどうかというのは甚だ疑問である。そういうことも再度確認しながら、相手にあまり深く依存したり、貪欲になったりしないように気をつけたい。それがまた一つの掟なのかもしれないなと思った。

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