イエス言行録 福音12.0

@kakakeke

第1話 イエス伝道を始める

【洗礼を受ける】(マタイ・マルコ・ルカ)

イエスは、洗礼を受ける為に、ヨルダン川のパプテスマ(洗礼者)のヨハネの元にやって来られた。ヨハネとイエスは、それぞれがエリザベツとマリアの胎内にいる時に会っていた。だが、ヨハネは「私こそ、あなたから洗礼を受けるべきなのです。」と断ろうとした。イエスは言われた「どうか止めないで下さい。今こそ私たちに相応しい正しい行いをすべき時なのです。」ヨハネはイエスに言われる通りにした。イエスが洗礼を受けて水から上がると、天が開き、聖霊が鳩の様に次々とイエスに舞い降りた。その時「これは私の愛する子、私の心に適う者」と言う声が聞こえた。


【誘惑を受ける】(マタイ・マルコ・ルカ)

聖霊に満たされたイエスは、荒れ野へ行き、40日間断食をした。イエスは空腹を覚えられた。サタンはすかさず誘惑を始めた「神の子なら、この石をパンに変えたらどうだ?」イエスは答えられた「人はパンのみで生きる者では無い、神の口から出る一つ一つの言葉によって生きる者である。」するとサタンはイエスをエルサレムの神殿の屋上に連れて行き、その端に立たせて「神の子なら、飛び降りてみろ。『神が天使に命じて、あなたの足が石に打ち当たることの無い様にあなたを支えさせる』と書いてある。」イエスは答えられた「あなたの神である主を試してはならないと書いてある。」最後にサタンはイエスを山の頂上に連れて行き、この世の全ての国々とその栄華を見せて、「私にひれ伏すなら、今見えている物全てをあなたに与えよう。」イエスは答えられた「退きなさい、サタン。『あなたの神、主だけを拝み、唯主だけに仕えよ』と書いてある。」サタンが最後の誘惑を終えて退くと、天使たちが現れイエスに仕えた。


【伝道を始める】(マタイ・マルコ・ルカ)

イエスはガリラヤへ帰られて、伝道を始められた。イエスは諸会堂で教え、人々から尊敬を集めた。イエスは育ったナザレへ来て、安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとされた。イザヤ書が渡され、イエスは読まれた「主の霊が私の上におられる。貧しい人に福音を知らせる為に。主が私に油を注がれたからである。主が私を使わされたのは、囚われている人に開放をもたらし、盲目の人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げる為である」イエスはそこで言われた「この聖書の言葉は、今日、今この時、実現しました。」ある者はその恵みに満たされた言葉を称えたが、ある者は「あれは大工のヨセフの子ではないか。兄弟姉妹は私たちと一緒に暮らしているではないか。」と言った。こうしてナザレの人々はイエスにつまずいた。イエスは言われた「はっきり言っておく。預言者は故郷では歓迎されないものだ。3年の間、イスラエルに雨が降らず飢饉が起こった時、エリヤはシドンのサレプタのやもめの元に遣わされた。イスラエルに多くの皮膚病の患者がいた時、エリシャはシリア人ナアマンしか清くされなかった。」これを聞いた群衆は怒り、イエスを町外れの崖の上に連れて行き、突き落そうとしたが、イエスは何事も無い様に人々の間を歩いて立ち去られた。


【おびただしい数の病人を癒す】(マタイ・ルカ)

イエスはガリラヤ中を廻り、御国の福音を宣べ伝え、民衆のあらゆる病気を癒された。そこでイエスの評判はガリラヤ中に広まり、人々がイエスの元へ様々な病気に苦しむ者、悪霊に憑りつかれた者、てんかんの者、中風(現代の脳性麻痺の様な状態)の者など、ありとあらゆる病人を連れて来たので、イエスはこの人々を癒された。こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ、その他ヨルダン川の向こう側からも、評判を聞いた大勢の群衆が来て、イエスの福音に耳を傾け、付き従った。


【山上の説教】(マタイ)

イエスは自分に付き従う群衆を見ると、山に登り、そこでこう教えられた。

「心の貧しい者は幸いである、天の国はその人たちのものである。

悲しむ人々は幸いである、その人たちは慰められる。

柔和な人は幸いである、その人は地を相続する。

義に飢え乾く人は幸いである、その人たちは満たされる。

憐れみ深い人々は幸いである、その人たちは憐れみを受ける。

心の清い人々は幸いである、その人たちは神を見る。

平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。

義の為に迫害される人は幸いである、天の国はその人たちのものである。

わたしの為に罵られ、迫害され、無実の罪であらゆる罵倒を受ける時、あなた方は幸いである。喜びなさい、大いに喜びなさい。天にはそれより遙かに大きな報いがある。昔の預言者たちも、同じ様に迫害されたのである。」


【地の塩、世の光】(マタイ・マルコ・ルカ)

イエスは言われた「あなた方は地の塩である。塩は良い物だ、だが塩に塩気が無くなれば、何に依って味を付けるのか。最早何の役にも立たず打ち捨てられるだけである。

耳のある者は聞きなさい。

あなた方は世の光である、山の上の町は隠れることができず、又、灯を升の下に置く者はいない、燭台の上に置く。そうすれば家の中を隅々まで明るく照らすことができる。この様にあなた方も世の光となって、人々の前で輝きなさい。まだ知らない人々(百匹目の羊)がそれを見て、天の父を崇める様になる為である。」

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