七首目 金曜の深夜 短文付き


気が付けば

 空をみていた

  アスファルト

   水面みたいに

    流れてたのに


 河を遡る遡上魚そじょうぎょのように本来の場所を求めて走る。

 ヒレの代わりを果たす二輪。エンジンに呼応し求めるように速度を上げる。

 アスファルトは流れる水面のように後方へ。

 ヘルメットを脱ぎ捨てて風を感じる。

 刹那。体を跳ね上げる衝撃の直後、私は空を見上げていた。

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