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稲場は、小学校時代を『稲カス』という仇名で過ごした。身長は伸びる気配がなく、四年生のときに身長順の整列で一番前になった。背丈に関わらず、その家庭環境の複雑さから、口を開くことすら『異例の行動』として、悪い意味で注目されていた。小学校時代を生き延びられたのは、遠野という名前の大柄な同級生が助けてくれたからで、二年前に同窓会で会ったときには『気づかなかったよ』と言って、その変貌ぶりに驚いていた。そもそも来るとすら思っていなかっただろう。栄養失調で細身、おまけに小柄で人と目を合わせることもできなかった姿からは、確かに変わったとは思う。今は、体も鍛えられているし、襟を大きく開ければ胸元から刺青が覗く。ただ、背丈だけは百六十九センチで打ち止めとなった。
小学校時代に、遠野以外の味方がいなかったわけではない。引っ越して学区が変わったから同じ学校には通わなかったが、墨岡とは古い付き合いだ。お互いの学校のことを話すでもなく、廃材が積まれた空き地の一角にたむろしていた。墨岡は昔から独特な人間だった。こちらが予測している方向とは常に違う方へ向かう。幼少時代の空き地での流行りは、安っぽい音を鳴らす銀玉鉄砲での撃ち合い。当たっても痛みはほとんどなく、そもそも銃自体がピンク色で全く迫力はない。そんな銃で撃ち合いをしているときも、墨岡は予測もつかないところに隠れて待ち伏せし、中々倒すことができなかった。お互いが二十九歳になった今も、その予測のつかない性格は変わっていない。
「で、龍野さん曰く、海外に拠点を増やしたいみたいやな」
墨岡は、バーの薄暗い明かりの中で存在感を保とうとするように、背筋を伸ばしながら言った。少し低い位置に肩を並べる稲場は、顔をしかめた。
「それは、龍野さんが言い出してるだけか?」
できるだけ声を抑えたが、カウンターの反対側にバーテンはいない。墨岡がプライバシーを求めたときは、アーリータイムズのボトルを置いて裏へ籠るだけの機転を持っている。稲場が返事を待っていると、墨岡はアーリータイムズが満たされたロックグラスを煽り、うなずいた。
「それが全てやろ」
あちこち火がついて国内では身動きがとりづらい。それは確かだ。しかし、そういう事情があるから自分たちに声がかかり、こうやって人並み以上の報酬を得て暮らすことができている。ただ、龍野の判断力については怪しいところがある。最近は特にその傾向が強い。
「そんなことになってんのに、青山を誘ったんか?」
稲場が言うと、墨岡は笑った。
「そうなってるから、やろ。この話も、岩村さんには言うなって釘刺されたからな。俺らはいつでも足を抜けるようにしとかなあかん」
計画の男、墨岡。大人になっても、予測もつかない場所に隠れるのはお手の物だ。稲場は呆れたように宙を仰ぐと、青山のやや抜けた外見を思い出していた。うまく立ち回れるようには思えない。しかしそれこそが墨岡の狙いで、青山が心配を誘う性格であればあるほどいいと思っているに違いない。あれこれ考える稲場の顔が深刻になっていく様子を見ていた墨岡は、不意に笑った。
「なんつってな」
稲場はつられて笑い出した。墨岡はいつも、相手が乗ってくるのを見計らっている。会話全てがドッキリ企画のようなものだ。墨岡は稲場の顔を見ながらしばらく笑っていたが、頭の中で次に言うことの整理をようやくつけたように、続けた。
「そんな、スパイみたいな話があるかいな。単純に忙しすぎるから、もう一人お願いしますって頼んだだけ。俺らも自分の人生があるんやから」
稲場はうなずいた。墨岡は饒舌に語るが、やっていることの裏というかその続きでは、確実にどこかで人が死んでいる。車のトランクをビニールシートで養生するのも、配線を触ってバックホーンが鳴らないようにするのも、全て意味がある。
「で、どこまでがカマしやねん?」
稲場が訊くと、墨岡は細く整えられた眉を曲げた。
「何が?」
「海外に拠点がうんたら、言うてたやん」
少しでも不安を解消したがるような稲場の口調に、墨岡は肩をすくめた。
「それは、龍野さんが言うてたまんまや。でも、龍野さんやぞ」
怪しい判断力。龍野の言葉は、どこまでが本気か分からない。ただ、龍野と岩村は真逆の性格をしているように思える。稲場は少し体を起こすと、言った。
「ピンクの銀玉鉄砲で、カチコミ行きそうやな」
「はは、懐かしいな」
墨岡は同じように体を起こすと、笑った。しばらく思い出話が続いた後、稲場は言った。
「帰るわ」
「おう」
短い相槌に返答するように、稲場が財布をポケットから抜いて万札を一枚カウンターに置くと、墨岡はまだ足りないようにボトルをちらりと見たが、腰を上げることなくうなずいて言った。
「もーちょい粘るわ。結局のところ、俺とお前が生き延びさえしたら、万々歳や。ほな、また後ほど」
稲場はうなずくと上着をひっかけて、バーの籠った空気を割るように外へ出た。雑居ビルの階段を早足で下りて、繁華街をくぐり抜けてタクシーを止めると後部座席に滑り込み、行先を伝えた後は目を閉じた。また後ほど、確かに予定はある。買い出しだ。もちろん非合法な手合いの。青山は今ごろ顔合わせを済ませているはずだから、明日からは本格的に動くことになる。つまりいつもの墨岡とのドライブではなく、青山に色々と教えながらになる。しかも、龍野が何かを考えているということと、その余波を受け止める衝撃吸収材が本当に青山かもしれないということを知りながら。稲場は、顔を知らないタクシー運転手の後頭部を眺めながら、自分を知る人間がいない車中の安心感に、大きく息をついた。運転手が肩をすくめて、呟くように言った。
「あの、まっすぐでいいですよね」
「はい、まだまだまっすぐです」
稲場はそう答えて初めて、自分の外見が運転手を少なからず委縮させているということに気づいた。後部座席でじっと動かない客が突然大きな息をついたのは、何かを間違えたからだと思って、緊張しているのかもしれない。稲場は愛想笑いを浮かべながら言った。
「いや、仕事のね……。運転手さんとは関係ないんですよ。色々あるんですわ」
その言葉で、はっきりと車中の空気が和らいだ。稲場は再び目を閉じて、自分がそれまでとは『別人』になった二十一歳のときのことを思い出していた。当時一緒につるんでいた仲間の名前は、もう覚えていない。ただ、小柄だからという理由で天井伝いに倉庫に忍び込む役に選ばれ、キリル文字が書かれた木箱を掻き分けながら、目当てのものを探していた。警備員に呆気なく見つかり、警察に突き出されるとしても不法侵入で二日ほど拘留されるだけだろうと思っていたら、警備員は通報せずに別の番号へかけた。スーツを着た長身の男が神経質にネクタイの位置を調整しながら現れ、その左右には男に足りないものを補うような、大柄な男が二人いた。
『誰の仕事?』
スーツの男が言い、返事を促すように左右の男から拳と足が飛んできたが、口を割らなかった。三十分ほど続いた辺りで、スーツの男の目つきが明らかに変わっていき、その頃には稲場の胴体にある骨はあちこちヒビが入ったり、折れたりしていた。
『口が堅いな。うちで働くか?』
スーツの男の、感心したような言葉。答えるために息を吸い込むのも辛くて黙っていると、男は『龍野』と名乗った。仲間として迎えられて、非合法の商品を管理する役割を与えられた。持ち場はよりによって、あちこちの骨を折られた例の倉庫。一年ほど続けた後、龍野が突然『昔の知り合いから連絡が来た。新しい仕事が始まる』と言った。その昔の知り合いが実質的なリーダーで、岩村と名乗った。
運転手が目的地の手前でゆっくりとタクシーを停めてハザードを焚き、稲場はレンガの壁とそのすぐ手前の電柱がオレンジ色に照らされては真っ暗闇に戻るのをしばらく眺めた後、体を起こした。
「どうも。いくらっすか」
会計を済ませてタクシーから降り、街灯がほとんどない住宅街を歩く。レンガの壁はマンションの裏口で、入口につけないのは一応そういう『稼業』の人間という自負があるから。しかし、十代のころからこれだけの悪事に関わっていながら、未だに逮捕歴はない。墨岡は一度塀の中を見て来いよと笑うが、墨岡自身も経歴はまっさらだ。稲場は表口に誰もいないことを確認すると、ロビーに入ってエレベーターを呼び、六〇七号室のドアを開けた。玄関には気取ったポーズをとるようにばらばらのスニーカーが一足と、健康サンダル。稲場は玄関で靴を脱ぐと、居間にちらりと見えた人影に向けて言った。
「ごめん。遅くなったわ」
人影が動きを止め、廊下に出した顔がちらりと見えた。一緒に暮らして、二年になる。藤谷留美のトレードマークは、何かが起きるのを待ち受けているような、好奇心の塊のような目。普段、顔の輪郭がぼやけるような伊達眼鏡をかけているのは、目が合った相手が気圧されるということを理解しているから。墨岡が短期間だけ付き合っていたバリスタの友達で、飲み会で何度か顔を合わせている内に話が合い、そのまま交際を始めた。二十六歳で、自分の立場が弱いときは三歳年下だということをしきりにアピールする。留美は後ろ歩きまで廊下まで出てくると、言った。
「おっそいなあー、アウトローとはいえ日付が変わるのはありえん」
「アウトローの基準、カタギより厳しいんかい」
稲場が言うと、わざとらしいしかめ面を作った留美は目の前まで歩いてきて、首と肩を傾けながらずれた寝間着を修正し、言った。
「それは、時と場合による」
稲場が憮然とした表情で立ち尽くすと、留美は真面目な顔のまま直立していたが、ひっくり返った寝間着の襟が頬に当たっているのを自分の目でちらりと見て、続けた。
「これ、直して」
稲場が襟を元の形に折り曲げて形を整えていると、堪えきれなくなったように留美が笑い出し、稲場も口角が上がるままに笑った。襟元だけが余所行きになった留美は、言った。
「おかえり。楽しかった?」
「仕事の話が大半やから、楽しさはあまりないかもな」
稲場はそう言うと、期待が外れたように目をぐるりと回した留美を居間まで押していき、ソファに腰を下ろした。留美は冷蔵庫から缶ビールを出して隣に座ると、あぐらをかいて肘をだらしなく突き出した。稲場はその様子を横目で見て笑いながら、言った。
「なんで家の中でイキってんねん」
「墨ちゃんと、こんな感じで飲んでたんやろ? あーおれらの町がや、どないなってや、こないなってや、みたいな」
留美は茶化すように巻き舌を真似て言い、稲場が同じようにだらしないポーズを取るのを見て笑いながら、続けた。
「また四人で飲みたいねー。墨ちゃん、カオリとは会ってるんかな?」
「別れたらしいで」
稲場はそう言いながら、今度は本当に足を伸ばしてだらしない姿勢を取り、気が抜けていくのを実感した。現実に足を下ろした話は落ち着く。誰と誰がくっついて別れて、子供ができたり、会社で嫌な目にあったり。留美はカオリの顔を思い浮かべるように宙を見上げると、ぽかんと口を開けたまま缶ビールのプルトップを開けた。
「マジかー、いい子やったのに。墨岡夫妻になるとばっかり」
稲場は愛想笑いだけで応じた。カオリは墨岡の浮気を疑って、後をつけていた。取引先との面会場所まで尾行を許した墨岡も間抜けだが、相当な口止め料を渡して別れたというのは本当だろうか。龍野と墨岡を中心に、薄い煙のような輪ができているように感じる。姿形は分かるのに、本人達だという確信が持てないような。うんざりする。こちらの世界は、誰かが誰かを裏切って、突然連絡がつかなくなったり、死を覚悟するような冷や汗をかいたり。
「稲場幸一君」
留美にフルネームで呼ばれて思わず背筋を伸ばした稲場は、命綱に救われたように頬を緩めた。
「考え事してた」
留美は、目線を稲場の胸元へ向けた。出かける前の服装チェックで、留美はいつも稲場のシャツの前が留まっているか確認していた。服でかろうじて隠せる位置に入る刺青は消せないし、仕事上相応の『意味』があるということも分かっている。しかし、時折頭に浮かぶ未来の映像の中にいる稲場は、体のどこにも刺青がない。それは想像の中だけで許される姿で、こうやって刺青が覗く今の姿を見ていると、二人で思い描いているはずの未来の中に、自分だけが取り残されたように感じる。
「家の中で、イキってる?」
留美の言葉に、稲場はシャツのボタンを留めて首を横に振った。
「いいえ」
「分かってくれるのね。話がはやーい」
稲場は留美の言葉に肩をすくめると、今度こそリラックスしたように体をソファに預けた。
深夜三時。龍野は、手が届かない目の奥から鼻にかけて異物が入り込んだように、顔をしかめていた。シルバーのチェイサーツアラーVは静かにアイドリングを続けており、全体的にべたついた感覚が体中から取れない。船着き場は静かで、粘り気のある波の音以外は何も聞こえない。雇われから自身が商社の顔となったのが、十年前。三十八歳で周りからは手遅れだと散々笑われたが、龍野自身が注目していたのは『小遣い稼ぎ』の部分だった。顔見知りが増えては減る、入れ替わりの激しい業界。
岩村と再会してからは、諜報から破壊工作、最終的な手段としては殺しという新たな商材を使った仕事が始まり、手元に生活費と呼べる以上の金が転がりこむようになった。ただ、警察官としてのキャリアを自身の殺しによって失った岩村が、同じ手段に対してどうしてここまで心血を注ぐのかは、理解できないまま来た。そのやり方は、殺人という究極の手段の、カタログショッピングのような様式化だ。そして、実際にそうなっている。龍野は砂利を踏む音を耳に留めて、一度くしゃみをすると目の奥に現れた痛みを払いのけるように頭を振った。
岩村は、自分が選び抜いた三人のことを、よく理解している。訓練でどうとでもなる強みではなく、どうにもならない弱みを。龍野はチェイサーから降りると、くたくたになったスーツのしわを伸ばしながら静かにドアを閉めた。岩村曰く、村岡と柏原の弱みは『使命感』で、佐藤の場合は『復讐心』。どれも、命を落とすきっかけとしては十分すぎる。今まで、金と物を動かす役割に徹してきた。関わっている人間の名前も顔も分かるが、深い接点は敢えて持っていない。なぜなら、何かが悪い方向に転がったときは、真っ先に足を抜く必要があるから。その考え方自体は間違っていない自信があるが、副作用が思わぬ形で表面化した。緊急避難的に足を抜く方法はいくらでも思いつくが、商売を続けながら手を切るのは難しい。こちらが『もう結構です』と宣言したところで、相手が同じように思うとは限らないのだ。その後命を狙われることだって、想定しておかなければならない。まさに灯台下暗し。そういうわけで、今まで自分が目を向けなかった組織の内情を、今はどうしても把握したい。できれば、誰にも知られることなく。龍野は、砂利の音が暗闇で止まったことに気づいて、目を細めた。コンテナで照明が鋭角に遮られて、その先は余計に真っ暗闇に見える。
「こんばんはー」
龍野が言うと、呆れ返ったような表情で一人目が現れた。地名をお互いの呼び名として使う四人組の存在を知ったのは数か月前で、同業からの紹介だった。合法な連中ではないが、業界内では『外交官』と呼ばれ、契約通りに積荷を海賊から守り抜いたという。紛争地で物資運搬の警護をしていたのが先週で契約満了となり、そこへ滑り込む形で連絡を取った。姿を現したのはリーダー格で三十代半ば。松戸と呼ばれている。刈り上げ頭に機能だけを重視したような薄手の上着とカーゴパンツ。体格は背の高さに対してやや細いが、全身が力を漲らせているように見える。
「よろしくお願いします」
松戸が最低限の礼儀を保つように小さく頭を下げ、残りの三人が影から現れた。龍野は同業から聞いた情報を目の前の実物と照らし合わせた。やや小柄で横に大きい男が大橋で、二人分の荷物を抱える縦にも横に大きいのは別所。そして猫のようにとがった口元を持つ紅一点は八女。頭の中での照合が終わった龍野は、愛想笑いを浮かべながら鍵束を松戸に差し出した。
「どうもどうも。車の鍵ね」
「頂戴します」
松戸がそれを丁寧な仕草で受け取ると、大橋が鞄からPDAを取り出して、差し出した。画面に視線を向けながら、松戸は言った。
「契約は三年間」
「楽だろ。隙を見せないか、見張っといてほしいだけなんだから」
龍野が言うと、別所と八女が顔を見合わせた。大橋が気配を察知して一度振り返ると、前に向き直った。
「見張るということは、専任ですよね」
言葉尻全てに『あいつからの紹介だから信じて来たのに、なんだこれは?』という言葉が続いているような、歯切れの悪い口調。龍野は自分の言葉が足らなかったことを自覚しながら、眉間にしわを寄せて小声で言った。
「いや、行き先とかさ。まずは立ち寄り先を把握したいんだ。三年あれば、動きは大体把握できるだろ。もし全員が揃うタイミングがあったら、そのときはすぐ教えてくれ」
「探偵の方が、上手くやるのではありませんか」
八女が言った。化粧気のない青白い顔の中で、ぎょろりと見開かれた目。おそらく二十代半ばで、三十代の男連中に比べると相当若く見える。龍野は首を横に振った。
「気づかれたときに、探偵だと自分の身を守れない。だからあんたらを呼んだ」
別所が力試しの機会を得たように眉をひょいと上げた。
「相手もベテランですか」
龍野はうなずいた。連絡用の携帯電話を松戸に渡し、四人が用意されたランドクルーザーに乗り込むとき、八女が小声で呟いた『薬かな』という一言が耳に届いた。目の奥がずっと痛い。中に針金を一本通されているようだ。龍野はチェイサーの運転席に戻り、眉間を押さえながら目を閉じた。八女の指摘は正しい。麻薬が若干体を食い始めているのは確かだ。
岩村との仕事。結果的に金とセットで、ありとあらゆる火種がついてきた。麻薬なら、そのノウハウは同業と共有できるし、雇われ時代にもやっていたお決まりの商売だ。中東はヘロインの製造元だし、これから戦争で混乱が起きるにつれて、その供給ルートには無数の穴や綻びが生まれる。手元で殺しが起きている状態よりは、その穴をつついているほうがはるかに気楽だ。頭の中で繰り返していると、それが唯一の正しい解決策であるように思えてきて、龍野は目を開けた。岩村が抱える三人と会ったのは数えるほど。直接国内に引き入れる手助けをした佐藤のことは良く知っているが、後の二人は顔見知り程度だ。不安要素を挙げればきりがないが、どう転ぶにせよ、これからの三年間で色々なことが変わる。龍野はサイドブレーキを下ろすと、呟いた。
「まあ、潮時だろ……」
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