Solitude

桜瀬悠生

Hurt

 届かぬ想いは、いつか露と消えてしまうのだろう。


 毎日のように夢の中で、キミの姿を追い求めていたのに。


 いまではもう、めくることを忘れた青春の一ページ。


 懐かしさとキミの笑顔が、しおりになってくれている。


 意味のない仮定も、二度と戻れぬ過去だからこそ。


 キミが、どこかで幸せに笑っているのなら。


 そんなことを思うだけで、なぜか優しい気持ちになれる。


 届かぬ想いは、いつも無駄にはならないのだろう。


 毎日のように僕の中で、心をそっと育んでくれている。


 いまではもう、めくることを忘れた青春の一ページ。


 小さな胸の痛みが、色褪せた挿絵に涙をこぼす。

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