女王が話し真実

 ルルーとムルカがピトリの王宮内の玉座の間にてピトリ女王ヴェイシャと謁見する中、ルルーはヴェイシャにリーザの事を尋ね、ヴェイシャがその話をしようとしていた。


「確かにリーザはわたくしの実妹です。そして幼き頃に彼女は地方領主の養女として送り出されました」

「寮長殿は、お2人がまとめて魔族の手に落ちない為の処置だとおっしゃておりました。一体お2人が秘めし力とはどういったものなのでしょうか?」

わたくし達自身はあくまでその魔力を秘めているに過ぎず、わたくし達が力を行使することはありません」

「そうすると我々の予測通り儀式のようなもので力が引き出される。そう考えてよろしいのですね?」


 ルルーは自らの考えをヴェイシャに伝え、ヴェイシャは返答をする。


「はい、そしてそれは儀式を行う者により力の働きは違うのです」

「そうするとやはり魔族の狙いは女王陛下とリーザ殿の力を引き出し、強大な魔物を召喚・使役する事が目的と考えてよろしそうですね」

「少なくともわたくし達の力を利用し、この世界を脅威にさらそうとしている事は間違いないようですね」


 ヴェイシャの言葉を聞き、ルルーはある事を懇願する。


「女王陛下、このまま女王陛下まで魔族の手におちれば、世界の脅威は免れません、陛下の護衛を我らがする事をお許しいただけないでしょうか?」

「今はわたくしの事よりもリーザの救出に尽力してください。あなた方がこの国にいらしたのは本来それが目的のはずです」

「おっしゃる通り、我らは魔族の魔力を探知し、この国まで来ました。ですが魔族の動きはいまだつかめておりません」

「我らも魔族の動きはつかめておりませんが、もし彼らがこの国に移動したとなるとにいるかもしれません」

「あの場所?」


 ルルーが抱いた疑問にヴェイシャは返答をする。


「この城より遥か南に洞窟があります。そこならば儀式を行うには都合がよいはずです」

「その洞窟に軍を派遣はしなかったのですか?」

「なにぶん、通路は狭い洞窟なので軍を派遣するには少々こころもとなかったのです」

「それでは身の軽い我らで調査をして参ります」


 ルルーが調査を志願するとヴェイシャは力強く返答をする。


「ええ、お願いします、あなた方はブロッス帝国との戦いを終わらすことにも成功したとお話を伺っております。きっとあなた方のお力とお心があれば魔族との戦いも終わらせられると信じております」


 ブロッス帝国との戦いを終わらす事ができたギン達は魔族との戦いも終わらせられると信じるピトリ女王ヴェイシャであった。

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