追跡の方法
ニリの街でミックサック団が公演をしている中、突如の魔族の襲来により、女優のリーザがギン達の目の前で連れ去れてしまう。
リーザを連れ去られ、立ち尽くしているギンとジエイの前にウィルが現れて2人に声をかける。
「ギン!ジエイ!すまねえ!周囲に警戒をし過ぎてブリックの動きを読めなかった!」
「ウィル、リーザを連れ去られたのは俺達全員の責任だ」
「だけどよ……」
「それに、奴らを追跡する方法はある」
そう言ってギンは先程アルドからむしり取った毛をジエイ達に見せる。
「ギン殿、それは!」
「アルドの毛だ、エイムの探知魔法ならこれをたどって奴らの魔力を追える」
「そうか!その手がありましたな、ですがギン殿、エイム殿が睡眠をとった場合には確か魔法の効力が切れるのでは」
「方角とおおよその距離だけでも分かればそれだけで十分な手がかりだ」
ギンとジエイのやり取りを聞いてウィルが声をかける。
「万一大陸を越えても海の声を聞けばより詳しく追えるかもしれねえ」
「とりあえず、みんなと合流しよう。ウィル、この街で避難に適した場所は分かるか?」
「……」
「どうしたウィル?うかない顔をしているが」
ギンの問いに少したどたどしくウィルが返答をする。
「ああ、いや心当たりがないこともないんだけどよ……」
「だったら早く言ってくれ!エイムの魔法しか奴らを追う手段はないんだぞ」
「その、俺んちのドックなら多分たくさんの人を収容できると思うんだが……」
「それなら早く向かおう、他のみんなはそこにいる可能性が高い」
戸惑っているウィルを尻目にギンとジエイは即動き出し、ウィルが慌てて2人を追いかける。
「あ、おい待てよ」
3人はそのままウィルの実家の、すなわち父であるボガードが運営しているドックに徒歩で向かって行く。
ドックに到着すると早速エイム、ヨナ、傭兵団を発見しギンが声をかける。
「エイム、ヨナ、大丈夫か?」
「ギンさん、それにジエイさんとウィルさんもご無事だったんですね」
「ああ、だが魔族にリーザを連れ去られた」
「リーザさんが⁉」
リーザが連れ去られたという話を聞いてエイムが驚く中、どこからか声が聞こえる。
「それは本当なの⁉」
「ルルー、ああ、俺達が分散していた隙を完全に突かれてしまった」
「だけど、魔族は一体どうしてリーザさんを……」
ギンとルルーがやり取りをしている中、更なる声がする。
「何だって⁉リ、リーザが魔族に連れ去られたというのか……」
「団長さん……」
リーザが魔族に連れ去られたことに狼狽するミックサック団団長、ギン達はリーザをいかにして取り戻すのか?
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