突然の発表
ブロッス帝国と再度の休戦協定を結ぶ事に成功したギン達はエンビデスの勧めもあり、帝国の本城に泊まっている。
一夜が明け、現在ギン達は帝国より朝食をふるまわれており、ブライアンがトーラスに声をかけていた。
「悪いな、朝飯までごちそうになってよ」
「そう言いながらガツガツ食べているじゃない、あなたは本当に遠慮というものを知らないのね」
ルルーがブライアンに対して言葉と行動の違いにツッコミを入れているとトーラスが声を発する。
「いえ、そのほうがもてなしがいがあるというもの、昨日もカイス陛下がおっしゃっていましたし」
「そういや、そのカイスはどうしたんだ?プラナもいねえし」
「お2人は今エンビデス宰相とお話されております」
「そうなのか、まあいいや」
そのままブライアンは食事の続きをしており、ルルーはポツリと呟く。
「呆れた人……」
ルルーがそう呟いている中、エイムが隣の席のギンに声をかけている。
「カイスさんとプラナさん、一体エンビデスさんと何を話しているんでしょうか?」
「さあな、でももう悪い話ではないはずだ」
「そうですね、きっといい話ですね」
エイムが笑顔でギンの言葉に応えているのを見てミニルが隣の席のヨナに小声で話しかけている。
「ねえねえヨナ、なんか昨日より、ううん今までよりあの2人いい感じだと思わない?」
「ああ、それはあたしでも分かるよ。エイムの表情だけじゃなくて何かギンの表情も明るく見える」
「なんか羨ましいわ、ああやって笑顔をかわせる人がいるなんて」
「ミニルにだってその内いい人が見つかると思うよ」
次の瞬間ミニルは表情こそ笑顔だが、少し意地の悪そうな声をヨナに放つ。
「それって、自分に相手がいる余裕なの?今までそんな事言った事ないじゃない」
「ま、待ってよ!グラッスの王様はあたしの一方的な片思いで、王様の気持ちは分からないんだって!」
ミニルの発言に対し、ヨナは思わず叫んでしまい、一同はヨナの発言を一字一句聞いており、一瞬場の空気は静まるが、その空気でギンがヨナに声をかける。
「きゅ、急にどうしたんだヨナ?そんな大声を出して?」
「あ、あああ……、もう、あんたがらしくない表情なんかするからだよ!」
「何を言っているんだ?それにグラッス王って……」
「これ以上あたしの話に首を突っ込むな―――!」
ヨナがそう叫ぶとこれ以上ギンは話さない方がいいと考え黙るが、そんな時にカイス、プラナ、そしてエンビデスが食事の席に現れる。
「何やら盛り上がっているところ悪いが、お前達に話さなくてはならない事がある」
「その話をしていたのか、それで何だ?」
「私はプラナと婚約し、それを国内外に発表しようと思っている」
突然のカイスのプラナとの婚約宣言、その真意とは?
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