支える意味

帝国内にギン達を未だ敵視する者達が多くいる。その事実をギン達に告げると共にギン達の言葉を一蹴するが、エイムに問われる。


「エンビデスさんも私達を敵視するんですか!答えてください」

「当然だ、帝国の敵は私にとっては敵だ」

「私が聞きたいのはエンビデスさんの気持ちです。本気で私達を敵視するっていうんですか⁉」

「私は常に確率の高い方法を取るに過ぎん。お前達と再び結び帝国が割れる位ならばお前達、そして反帝国同盟を叩き潰し帝国1強を成し遂げる。それが戦乱を終わらし、魔族との戦いを何の憂いもなく行うのにより確実な方法だ」


 エンビデスは頑として帝国1強こそが平和に近づく方法だと力説するが、それに反発の言葉をあげたのはトーラスであった。


「しかしエンビデス宰相、帝国の支配を良しとしない国は確実に抵抗してきます。このままいたずらに戦火を拡げるのはもはやかえって戦争の時代が長くなるだけです」

「そうならん為に叩き潰すのだ」

「一時的には確かに収まるかもしれません、ですが先のギガス陛下のような事があればより大きい戦火が拡がります。やはり彼らと結び、時間をかけてでも反プレツ派の説得をしていきましょう」


 トーラスの強い反発を受け、エンビデスは自らの思いを話す。


「トーラスよ、先程出撃前に私が話した事を覚えておるか?」

「え?ルード様らの時代への代替わりの話ですか?」

「おそらく私は彼らが領主として、そしてカイスが皇帝としての貫禄や相応の経験がつくまでは生きていないかも知れん。だから私はカイスの敵を……」


 エンビデスの発言を遮り、ムルカが叫ぶ。


「それは違うぞエンビデス殿!」

「神官戦士か、聖職者が私に説教でもする気か」

「エンビデス殿、貴殿は貴殿なりに若いカイス殿を支えようと思ったのかもしれん、だがそれは本当にカイス殿の為になるのか⁉」

「何だと⁉」


 エンビデスの行動は本当にカイスの為になるのかをムルカがエンビデスに問いただし、エンビデスが驚いていると更にムルカは自らの考えを話す。


「ただ障害を取り除くだけが、本当に若者の為か?違う、彼が望む道に進めるのを精一杯支える事ではないのか!」

「奴の望む道だと?」

「貴殿もカイス殿が本当はこのような状況を望んでいない事を分かっているはずだ。もし再度の休戦がなるなら我らはできうる限り帝国を支援していこう」


 ムルカの放った言葉にエンビデスはどう答えるのか?

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