再度の遭遇
プラナ、マリン、アルが孤児院の庭で洗濯物を干し終えて院内に戻ろうとすると、どこからともなく声が聞こえる。
「おーーーい!マリンーーーー!」
「この声は、あ、お兄ちゃん!」
マリンがその言葉と共に向かった先には2人の兵士の格好をした男がおり、1人はマリンの兄のようだ。
兄のもとに駆け寄るとマリンは兄に質問をした。
「どうしたの?お兄ちゃんはスップの街を守るのがお仕事だったんじゃないの?」
「あのな、最近兵士が増えてきたから、少し守る範囲を増やして、この辺りも見回ることになったんだ」
マリンの兄がマリンに対し説明していると、もう1人の兵士がマリンに対し更に説明を加える。
「あのなマリンちゃん、お兄ちゃんはマリンちゃんが心配でここの見回りをさせて欲しいって隊長にお願いしたんだ」
「おい!余計な事を言うなよ!」
「まあ、そう言うなって、お前のお願いを聞いてくれた隊長と、付き合ってやった俺に感謝しろよな」
「隊長はともかく、お前は命令で来ただけだろう!……とにかくマリン、ミッツ教団の方が送ってくれるとはいっても気をつけろよ」
マリンの兄がマリンに対してそう告げるとマリンは返答をする。
「うん、分かった」
「そういえばマリン、あの後ろの男の子は新しい友達か?」
「うん、
「ん?それってどういう意味だ?」
兄にそう尋ねられると、マリンは嬉しそうにアルについて説明を始める。
「聞いて、お兄ちゃん。マリンね大人になったらアル君のお嫁さんになるの」
「お。お嫁さん⁉」
「うん、その内、お父さんとお母さんにも紹介するから」
「ちょ、ちょっと待てマリン、さすがに決めるのはまだ早いんじゃないか」
マリンの兄がマリンの発言に戸惑っていると兄をからかうように声をかける。
「はっはっは、お兄ちゃんも大変だなホセ」
「うるせえ!全く他人事だと思いやがって」
「ところでマリンちゃん、後ろのきれいな女の人は誰かな?ミッツ教団の人?」
もう1人の兵士がプラナの方に気が向くとホセが突如険しい顔で声をかける。
「なあ、あの女どこかで見たお覚えがないか?」
「さあ、まさかお前が街中で誘って断った人とか?」
「違う!あれは確か……帝国の騎士だ!」
「て、帝国の騎士⁉」
もう1人の兵士が驚いているとホセはプラナに詰め寄っていき、問い詰めるように声をかける。
「間違いない、格好は違うがお前はあの時侵攻してきた帝国の騎士だ!」
「……」
マリンの兄であるホセがプラナに気付いた。またしても波乱が起きようとしている!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます