休戦に向けた会談
カイスとエイム達が話している頃、ギン達とギガス、エンビデスは非公式ではあるものの、休戦へと向けた会談を開始しようとしていた。
まずギガスが第一声を発する。
「では、何から話すかだが、主らから申したいことがあれば申してみよ」
ギガスの言葉を受け、ルルーが言葉を発する。
「それでは申しあげさせて頂きます」
「うむ」
「我々は貴国との終戦を望みます」
「終戦、つまりこれ以上我らとの間での争いを望まぬ事か、主らが勝利したにも関わらず欲のない者達であるな」
ギガスの言葉に対し、ギンが発言をする。
「帝王ギガス、俺達は帝国を滅ぼすことが目的ではない、一刻も早くこの戦いを終わらせ魔族との戦いに尽力することが大事だと思っている。終戦が無理ならせめて休戦をしてほしい」
「休戦か、我らが手を組めば魔族を鎮圧することはそれ程難しくはないだろうが、魔族を鎮圧した後も我らが盟を結び続けられる保証などないぞ」
「それは俺も承知の上だ。だがこのまま俺達と帝国の戦いが長引き、魔族に付け入る隙を与えてしまうほうが危険だ」
「ふむ、確かに隙を突かれるのは余としても本意ではない。よかろう、ひとまずの休戦案は受け入れよう」
ギガスが思いの他、あっさりと休戦案を受け入れた為、ルルーは拍子抜けをし、思わず尋ねてしまう。
「あの、そんなにあっさり決めてよろしいんですか?」
「元々余はこの世界に迫る脅威である魔族を鎮圧する為に、帝国を興したのだ。その考えは今も変わらん」
「ですが、あなた方は帝国1強を目指していたはず。やはりそれは我々に敗北したからですか?」
「それもある。だが余は主らは信じるに値すると感じたからだ」
信じるという言葉がギガスの口から出たことに驚くギン達であったが、更にギガスは言葉を続ける。
「余を負かしたにも関わらず、我らを力で屈服させずにこうやって我らと真摯に向かい合った点は信じるに値する。余はそう感じた」
「ギガス皇帝」
「だがあくまでも信じられるのは主らであり、もし反帝国同盟が良からぬことを考えておったら、盟を切り、主らといえど排除せざるをえない」
ギン達を信じる反面、自身が帝国の為政者であることを考慮すると所属する国の動き次第ではギン達とも戦端を開くことをいとわない態度をギン達に示し、ギンがその言葉に反応をする。
「帝国の長としては当然だと思う。だが案を受け入れてくれたことには感謝する」
「ふっ、では我らも休戦を望んでいることは近いうちに正式に使者を派遣して示そう。現在他国に常駐している軍も引きあげさせる」
ギガスがギン達に今後の方針を話すとエンビデスがギンに対し口を開く。
「ギンよ、先程の魔法剣でお前に対して感じることがあった。話しを聞いてもらえるか」
「俺に?何だ?」
エンビデスはギンに何を見たのか?
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