ラックまでの護衛

 ミックサック団の護衛をするべくギン達はまずアイルの街の表門にミックサック団とギン達の馬車を合流させるべく、ミックサック団の馬車の移動にギン達が付き添っている。ミックサック団の馬車は2台あり、ギンが先導を華ね前方を護衛し、ヨナが後方を護衛しながら移動している。


 ギン達と馬車の接近に気付いたルルーが表門で待機している一同に声をかける。


「みんな、馬車が来たわ」


 ルルーの声と共にミックサック団の馬車は停車し、団長とギン達がルルーに接近し、団長がルルーに護衛の方法を尋ねる。


「して、シスター殿、どのように護衛するのかな?」

「我々の馬車も2台ありますので、あなた方の馬車を挟むように前方と後方から護衛させて頂きます」

「ふむ、側面の護衛は?」


 団長の疑問にルルーがエイムを指し、答える。


「私と彼女があなた方の馬車に乗り、魔力障壁か魔法を放ちお守りいたします」

「あの女の子もか、大丈夫なのか?」

「彼女の魔法の素養はとても高いのでご安心ください」

「ううむ、ま、他に頼める者もおらんし、仕方ないだろう。頼むぞお嬢さん」


 団長の不安そうな声ではあるが、エイムはしっかりと返事を返す。


「はい、皆さんは私達が守ります」


 エイムの返答をするところを見て、ヨナがギンに小声で話しかける。


「あのおっさんいまひとつあたしらの事を信用していないよね」

「仕方ないだろ、こちらから押し掛けたようなところもあるしな」


 ルルーとの話を終えるとその場にいる全員に団長が声をかける。


「それじゃあ、早速並んでいくぞ」


 団長の声を聞いて馬車を先程ルルーがいったように並んでいく。前方をループの馬車が先導し、ギンが御し、ブライアンとムルカが乗る。


 後方にはゲンジの馬車が位置し、ヨナ達傭兵団が御し、ジエイ、ウィルも乗る。


 ルルーは、団長を始めとした裏方達が乗る馬車に乗り込み、エイムは役者達が乗る馬車に乗り込み、ミニルもその馬車へと乗る。


 先程ルルーが言ったように、ループの馬車が前方でそのすぐ後ろでミックサック団の馬車が横並びになり、後方にゲンジの馬車が位置すると、ギンが後方に合図を出し、いよいよ出発の時だ。


 ループの馬車の中で、ブライアンとムルカが話をしていた。


「しかし、ルルーもとんだお人好しだな、この護衛をタダで引き受けるなんてな」

「我々が金を取るわけにはいかんが、相手の心理的負担も考慮し、ミニル殿がニリの街まで招待する交渉の場を用意する為のものでもあったからな」

「まあ、俺達はしっかりと守ってやんなきゃな」


ラックまでの道のりで何が起きるのか?

 

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