第5話 恋はじめました_子犬系男子

 仕事を始めて半年__


 友達の紹介で知り合った同じ歳の子

 子犬系男子 けい

 スポーツジム インストラクター


 田舎育ちの純粋さ全開男子

 男子ってより

 犬みたいな女の子みたいな男の子

 目がクリクリで、人懐こくて、可愛い

 おまけに身長が同じで目線が一緒

 なんか愛おしくって


 頼りないけど

 高校卒業後、半年ぶりの恋には丁度いい



 -子犬系男子の生態-

  毎日メッセージが届く

  仕事終わりの駐車場で待ってる

  友達や親を紹介される

  会うたびにエッチをする

  子犬系男子は意外と肉食系

  仕事は一応してる(長くは続かない)

  最近、美容師になるっていいはじめた




 自分から連絡するのが苦手な私

 そして、恋に関しては、面倒くさがり




 毎日送ってくれるメッセージが嬉しい

 っていつから思わなくなったんだろ…


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 2.14 バレンタインデー

 社会人1年目


 大人に憧れて

 好きなブランドのキーケースをプレゼント


 少し背伸びをした


 仕事の愚痴ばかり言う彼に

 ちゃんと働いている

 アピールをしたかったのかもしれない


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 仕事が忙しさにかまけて

 私からの連絡が少しずつ減った


 彼からは変わらず毎日連絡が来る

 たまに

 会社の駐車場や自宅の前で待っている


 しばられる時間が面倒…


 仕事を会えない口実に

 私は嘘をつくようになった




 それから急に気持ちが冷めた

 嫌いになったというより、

 一緒にいるのが疲れた



 私は不意に寂しくなって

 出会い系サイトで出会いを求めた


 ふと目についた男性

 2歳上のワイルド系



 顔の好みより

 私のことを知らない人に

 話を聞いて欲しかった


 恋に終わりを告げないまま

 出会いを求めた


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 そして、

 啓と久しぶりに会う日曜日


 デートだと思っている彼をよそに

 私は別れを心に決めていた


「別れよ」

 会った瞬間に口から出た


 下手な別れ方するつもりはなかった

 でも、気持ちが漏れた


「なんで?」

「ごめん」

 その時、交わした言葉はこれだけ


 不思議なことにこのままデートを続けた


 いつも通りの彼

 うわの空の私

 対象的な2人の時間は

 交わることなく終わった



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 しばらく連絡が続いた

 話すつもりのない私は既読スルー 



 3.14 ホワイトデー

 仕事終わり

 彼からのプレゼントが

 車のミラーにかけてあった

 ありがとうのメッセージを添えて




 それから数年後、

 彼は美容師の夢を叶えていた


 応援してあげられなくてごめんね

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