第4話 渋谷区道玄坂カボチャ

ケイは週1の割合で渋谷道玄坂周辺にいる。

会社が契約している美容系のofficeがあるからだ。

美容系の取材でいつも思うことがある。


美容業界は、女性が多い職場で、化粧がうまくて眉をきれいに描ける人しかいない。


ケイは、眉用のテンプレートを使っているのだが、左右アンシンメトリーになる。

左右バランスが良いのが、美形とされているのであれば、この作業にエネルギーを割くのは無駄と思っている。


ケイは生まれつき、身体の左右のバランスが良くない、靴のサイズが左右で違うので中敷きでサイズ調整をしているほどなのであるから、いたる所バランスが悪い。


美容関連の仕事が入ると、取材に行くのも自分でよいのか?と思ったりするのだが、代わりもいないし15年以上、タンタンと作業をしている。


以前は肌表面を薄く剥がして再生するようなピーリング薬剤の取材が多かった。

今は脱毛なのだが、レーザー照射の仕方だとか出力量の差とか、マシンの性能差がポイントのようである。


ケイも何度も取材をしているうちに、腕や指の関節からしっかりした毛が出てくることが気になりだし3年ほど前に脱毛をしてみた。


最初はテカテカに無毛になったが、半年くらいでまた生えてきた。

何度か繰り返して脱毛施術を行うのが主流のようである。


画像修正が簡単にできるため、ムダ毛がない肌の画像を見ることが多くなり、人間には体毛が生えてくることが忘れられそうだが、新生児ですら体毛は生えているのだ。


体毛の濃い薄いも生まれつきによるのだろう。


ケイは生まれ持ったものだから、どうにもこうにも変わるわけないと思っていた。


しかし、

とある美容女子に出会い、パンプキンを1か月だけ、毎日食べると肌質が変わると聞いて挑戦している。


かぼちゃの冷製スープは、マッシュしたかぼちゃに生クリームとタピオカを加えて岩塩で味付けする。


もう1品は、豚肉を炒めて、ふかしたかぼちゃを加えて、酒とお醤油で煮つけたもの。


自宅で料理を作るときは、この2種を繰り返しているが飽きない。

肌がきれいになったかどうかは実感がない。




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