転生させてくれるはずの女神が、NTRれた。拾ってくれた別の女神がオレの嫁に。地獄の異世界に落ちた二人よ、泣いて助けを求めてももう遅い。

女神が寝取られた

　女神が寝取られた。

　オレを轢き殺して死んだ、トラックの運転手に。

「いえーい、主人公くん？　キミを転生させる予定の女神は俺が寝取っちゃいましたー」

「ごめんなさい、主人公くん。もう彼の身体なしでは生きていけない」

　まさか、死んだ直後にこんな乱交ショーを見せられるとは。

「ちょっと待たんかい。オレの転生先はどないなんねん!?」

「落ちこぼれ女神をあてがったから、許してぇ」

　そういって、女神はトラックの運転手と共にいずこかの異世界へ。

「こんにちは。災難でしたね。ワタシがあなたを異世界へ誘います」

「ど、どうも頼んます」

　この人が、落ちこぼれ女神？

　みすぼらしいけど、今はこの人に頼るしかない。

「チートとか、優遇とかないんですけど、普通に転生させてあげますね。そうだ、わたしもご一緒しましょう」

「なんでもよろしいわ。頼んます」

　こうしてオレは、別世界で普通に女神と仲良く暮らしている。

　チートもなにもないけど、魔物もいないから安心だ。

　田畑を耕すのも、二人一緒なら楽しいね。

　一方、トラック運転手たちの方は、地獄のような異世界で苦しんでいるという。

　チートが裏目に出て、かえって現地人の生態系を滅ぼしてしまい、魔族がはびこっているらしい。

　こっちの魔物とかも、全部向こうへ行ってしまったんだって。

　悪党も、たまには役に立つね。

　ステータス画面に、女神から「たすけて」ってメールが来た。

　もう遅いねや。