日本全国ローカルグルメめぐり
けたじぃ
第1話 敦賀ヨーロッパ軒のソースカツ丼
カツ丼といえば、たいていの人は卵でとじられた、あのカツ丼を思い浮かべるでしょう。しかし、ご存じの方も多いと思いますが、一部の地域では卵でとじられていないものを指す場合があります。今回はそんな地域で食べた、カツ丼の話です。
琵琶湖の東岸を北上して、国道8号線でひと山越えると、そこは福井県敦賀市。福井県の名物グルメといえば、越前ガニや越前おろしそばなんかを思い浮かべる人が多いでしょうか。でも、福井のローカルグルメといえば、なんといってもソースカツ丼です。地元の人がカツ丼というときは、このソースカツ丼を指し、卵でとじるカツ丼は「上カツ丼」とか「たまごカツ丼」と呼ぶようです。
そんな福井のソースカツ丼、有名なお店があります。それはヨーロッパ軒というお店で、福井県内に19軒もチェーン展開しています。総本店は福井市にあるのですが、敦賀市にも本店と名のつくお店があります。それが敦賀ヨーロッパ軒本店。訪れたときは知らなかったのですが、福井市のヨーロッパ軒がのれん分けして出来たのが、敦賀ヨーロッパ軒のようです。
カツ丼大好き人間の私は敦賀に来たら、まずヨーロッパ軒に行こうと考えていました。敦賀市内には5店舗あるのですが、やはり行くのは本店しか無いでしょう。着いてびっくり、この本店、建物がちょっとすごい。ヨーロッパ軒って言ってみれば、町の洋風ファミリーレストランなわけです。それが町のレストランというレベルではない建物なんです。7階建てのビルなのですよ。それもちょっとレトロなお城風の。ただ、一歩間違うとラブホテルにも見えかねませんけど。
中に入ると1階は何もなくて、階段で上がって2階へ。ここがメインの食事処となるようで、昔ながらの食堂といった風情。なお、3階より上は宴会場などとして使われているようです。
早速注文するのは、もちろんソースカツ丼。ただし、メニューにはカツ丼としかありません。わざわざソースカツ丼なんていわなくても、ソースカツ丼がでてくるわけです。サラダと味噌汁が付いているカツ丼セットを注文しました。
しばらくすると、カツ丼セットの登場。丼は蓋をされているのですが、トンカツを押さえきれないようで、脇の方から少し覗いています。蓋を取ると丼には白飯が盛られ、その上にトンカツが3枚載っています。思っていたよりカツが大きくて、ボリューミー。卵でとじられたカツ丼とはまた違ったアピールです。
そういえば20年以上前に、こちらもソースカツ丼で有名な駒ヶ根でソースカツ丼を食べたことがあるのですが、あちらは白飯の上にキャベツを敷き、トンカツを載せるスタイル。どうやら福井ではキャベツは敷かずに、直接カツを載せるようです。
また、お弁当で売られているようなソースカツ丼では、トンカツにソースをかけてご飯に載せたようなものもありますが、本当のソースカツ丼はカツをソースにくぐらせる。トンカツをご飯の上に載せただけではないのです。
トンカツの見た目もちょっと普通と違います。通常のトンカツより、衣のザックリ感がない。目の細かいパン粉を利用しているようです。とりあえず1枚、トンカツを食べてみます。カツはやや薄めで、サクサク。そして、ソースの香りの香ばしさよ! ンマーイ!
お店独自のウスターソースとのことですが、やや甘めのフルーティさで、しつこさはありません。薄めのカツと相まって、あっさりと食べられます。脂もしつこくないし、ボリューミーに見えた3枚でも、これならあっさりと食べられそう。
次にソースの染み込んだご飯をいただきます。ちょっと甘めのソースがかかったご飯もなかなかいけます。その昔大阪梅田の阪急百貨店で、ご飯にソースをかけただけのソーライスなるものが提供されていたそうですが、ソースとご飯もなかなか良いのです。
出てきたときはボリューミーに見えたカツ丼も、あっという間に食べ終えました。卵でとじられていないカツ丼ってどうよ? と思っていたのですが、ただソースをかけたトンカツを載せただけでない。サックリと食べられるように薄めのカツに目の細かいパン粉、そしてこだわりのソースを使っているところに老舗の味、地元で愛され続けている味を感じたのでした。
写真はこちらの近況ノートにて。
https://kakuyomu.jp/users/keta_g/news/16816927862852348122
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