12星座と蛇の姫

たまごやき

第1話 プロローグ



北斗七星、カシオペア、オリオン座、季節が変わると見上げる星空も表情が変わる。




春は穏やかな星たちがまだ寒さの残る空を優しく彩る。北斗七星で有名なおおぐま座から牛飼い座のアークトゥルス、その先へと伸びる春の大曲線。



夏の天の川は切なくロマンチック。

ここから見たら直ぐにでも会いに行ける距離なのに。デネブ、アルタイル、ベガ、夏の大三角形。この季節の主役は君達だ。



短い夏が過ぎれば月の光も柔らかく、虫たちの音色になんとなく寂しさを感じる秋の空。だけど私は知ってる、秋の星空には心ときめく星たちの物語が詰まっている事を。



凍えるような寒空でも見上げればごらん、沢山の宝石が夜空に散りばめられている。ベテルギウス、シリウスにプロキオン、大きな三角と静かに落ちる流れ星。





どの季節もいつも星たちが見守ってくれている。


そんな星空を見上げるのが大好きだった。


だけどいつからだろう。


いつも見ている満天の星空の違和感に気づいてしまったことを。



"彼ら"はいつからこの夜空から姿を消していたのか…

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12星座と蛇の姫 たまごやき @mamymamy

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