Ending

Post Ending 動く不可解

「不可解部の調子はどうだ?」

「上々の成果です。既に二つ事件を解決しています」


 豪奢ごうしゃな会議室だった。赤を基調とし、複雑な模様の絨毯。木質の壁。更には高い天井からはシャンデリアが下がっている。


 広い空間には何人かの人間がいた。全員が次々と発言する中、誰が何を言っているのかもはやわからない。


「早めればいいでしょう?」

「一名、記憶にダメージを受けています」

「二名だろ、どっちかは治ったけど」

「女か? 壊れたら俺のところで飼ってもいいか?」

「馬鹿言いなさい。あの家の娘でしてよ」

「そうさ、お前なんか裁断されて終わり」

「ここにいる全員がそうなるだろ」

「それは恐ろしいこって」

「あー、でどうするよ」


 次々に会話が進んでいく中、最後の一言が終わると全員が上座を見る。


 待っていたかのように上座にいた男が立ち上がる。質のいい礼服のような真っ黒なスーツを着ていた。白髪交じりの黒髪をオールバックにしている。年齢はわからない。若くもないが、老いてくたびれた雰囲気もない。 


「三人だけでももはや手に負えぬというのに」


 一人の老人が言った。それに上座の男は頷かなかった。

 

「コントロールが目的ではない」


 全員の発言を止めるように右手を顔の前にかざし、ただそれだけを口にした。


 男は一度大きく息を吸い込んだ。

 

「計画を次に進める。今回の事件において、不可解部の実力は証明された。これを以ってフェーズワンを終了する。フェーズツー、不可解部の増強に移行する。いいか、フェーズツーだ!」


 立ち上がった男は高らかにそう宣言した。




 Regional Mystery Elucidation Club

       will return

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