強気な先輩は僕の前では何故か弱気です。

アイスエイジ

第1話 普通な僕

 4年間の大学生活を一言で表すならば、【普通】という言葉が僕に合うだろう。


 大学に入学してからは友人を作り、一緒に授業を受け、学食を食べ、たまに居酒屋で遅くまで駄弁って過ごす、よく聞く日常を過ごした。


 勉強は苦手なものはなく、成績は5段階評価で平均の3ばかり。たまに4だったり悪いときは2を出したこともあったが、単位は落とすことはなかった。全体で見れば成績は真ん中ぐらい。高校の時から変わっておらず、僕らしいかなと思ってみる。


 興味があったバドミントンのサークルに入ってみた。経験者も少なからずいたためか入った当初は初心者ということもあって少し恥ずかしかったが、僕と同じような人達もいたし、先輩達が優しく教えてくれたこともあり気持ちが楽になった。毎週参加していれば慣れてくるもので、空振りばっかだったのが今ではしっかり打てるようになった。


 アルバイトは、特にこだわりは無かったから自宅から徒歩3分のコンビニにした。品出し、商品の補充、レジ打ち、クレーム対応など色んな経験をしたが、働いてみて改めて思うのはコンビニの店員さん達は凄いということだ。平日のお昼時になると社会人の方々が買いに来るので店は混雑する。満員電車の状態とまではいかないけど、まぁそのぐらいの混雑具合と思ってもらえればいい。僕も利用時は苦しめられた。そんな状態でも店員さん達は焦らず、笑顔で、声を大きくして一人ひとりに気持ちのいい接客対応をしている。少し感動してしまった。

 1ヶ月働いて初めてのお給料が振り込まれていたのを見たときは、自分で働いて稼いだお金なんだと実感して、なんだか嬉しくなった。


 3年生の夏頃になってからは就職活動を意識し始めてなのか、リクルートスーツ姿の学生を見かけるようになった。かくいう僕も意識はしていたので合同説明会に行って気になった企業の説明を聞いてみた。これからの時代だとITの職に就いたほうがいいかなと薄っすら考えながら絞っていき、4年生の夏頃にベンチャー企業から内定をもらい、就職活動を終えることができた。


 並行して進めていた卒業論文も就職活動を終えた数ヶ月後に終えることができた。


 卒業に必要な単位は取り終えたので授業に出る必要もなくなり、その後はアルバイトをメインにしながら自動車学校に通って免許を取り、サークルの追いコンで後輩達に手厚く追い出され、そして卒業式を迎えた。


 僕なりに4年間の大学生活をそつなく過ごしていたわけだが、驚くような大きなイベントや色恋沙汰も無かったから【普通】と表してみた。


 そして、僕は社会人になった。


 入社してからの1ヶ月間は研修が行われ、各部署を担当している方々がどういった仕事をしているのかを説明や、新入社員同士でチームを作ってグループワークも行なった。同期のみんなとは入社前からの付き合いではあるので変に恥ずかしがることもない。

 実は入社前にも月に2回は研修は行われ、会社の基本的なことからマナー研修、IT業界についての基礎知識、あとは息抜きもあるだろうが会社主催で内定者同士での懇親会が開かれた。ちなみに内定者は16名で男女半々だ。


 配属先の決定が研修最終日に伝えられ、明日から配属先の部署で先輩方と仕事をしていくことになる。各々が新しい部署での仕事をすることにやる気が満ち溢れているみたいだ。もちろん僕もそうだ。覚えることは研修の比ではなさそうだが、早く覚えて戦力になっていきたいと思う。



 配属されて数日経ったある日、悠木先輩を見かけたのは、各部署の方々が彼女に挨拶をしていた時のことだった。



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 はじめまして、アイスエイジです。


 初めての作品になりますが気ままに書いていきたいと思います。


 よろしくお願いいたします。

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