第1章 崩壊の始まり

第1話 悪魔の機械


 溶ける…脳みそが溶ける!!!

千円札が紙切れの如く、ピエロが描かれし、可能性という悪魔の機械に飲み込まれていく。

1枚…2枚…3枚…気づいたら、8枚…!!


俺の財布の中の残額は、残り千円札1枚となっていた。

ピエロは、未だに笑わない。

千円札1枚と交換で機械から出てくるメダル46枚は、気づいたらいつの間にか消えていた。

8千円…これがあったら何が出来ただろうか?

ちょっと、裕福な夕食でも食べれただろう。

ゲームソフトも変えただろう。


598枚のメダルは…もう無くなった。


悪魔の機械を前に座り込む俺は、額に汗を流し、究極の選択を強いられる。


①悪魔の機械から離れ、残り千円札を手に帰る。


②残り千円を悪魔の機械に注ぎ込み、ピエロとの最終決戦に挑む。


俺の出した結論は…!!


②だった。


残りの千円札を持って帰っても何も意味はない!!

この残りの千円札でピエロとの最終決戦に挑み!

勝てる「かもしれない」という根拠なき可能性に賭ける!!


俺は残りの千円をピエロに注ぎ込み、出てきた46枚のメダル…いや!ピエロ狩りの弾薬にした。


ピエロに弾薬を1発打ち込むのに必要なメダルは1回3枚…実質1回で60円が消えていく。


60円消費…60円消費…60円消費…ピエロの機械に描れし、図柄が3✖️3の9マスのリールがどんどん回る。


機械の受け皿に入れてあるメダルはどんどん無くなっていく。


俺は、心の中で、考え始める。


死にてえ。ムカつく。イラつく。


負の感情が周り回る。


そんな俺を見てほくそ笑むピエロ。


残り受け皿にメダル6枚…絶望。


「キャインキャインキャイーン!!」


絶望をかき消す機械音が悪魔が発した。


周囲の人間の視線が俺に集中した。


遂に、悪魔のピエロを倒すチャンスランプ。


「行け行けランプ」


がピカった。


この瞬間、俺の脳内の快楽というなの脳汁がドバドバと流れ込んでくる。


つづく

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