第2話 イラストレーターの困惑そして…新人Vの誕生
私は春村絵那、稲垣しんじゅという名前でイラストレーターをやっている
その私は今、とても困惑していた。
先日ネットで知り合ったゲーム友達からもしかしたら仕事の依頼が来るかも、と言われていたのだが、本当に来ると思っていなかったのにも関わらず一件の依頼が来たのだ
「いやいや、おかしいでしょ。私まだアマチュアのイラストレーターだよ?」
普通のTwitterのアイコンを描いて欲しい、とかならまだ理解できる。今まで何件かやったことあるからね、でも!でもだよ!今回のはスケールが違うんだよ!
「Vtuberの体?どうして私なんかに…」
DMの画面を何度見てもやっぱりVtuberとの文字が書かれている
はわわ、と画面の前で悩んでいると兄が話しかけてきた
「お?どうしたんだ絵那?そんなに落ち着かない顔して、仕事依頼来たのか?」
「ふでにぃ~どうしようすっごい依頼が来たの!」
「へぇ~良かったじゃん、どれどれ?…え、Vtuber?」
兄の絵筆も驚いた表情をしていた
「す、凄いじゃん!絵那!そんなすごい仕事貰えるなんてやったな!」
「えへへ、でも私絵は描けるけど3Dデザインとかできないよ?どうしよう…」
「3Dか?俺がやるか?」
「え?でも、ふでにぃお仕事は?」
「まぁ、一段落ついてるしあと一つくらい仕事増えても大丈夫だ!」
「じゃあよろしく!よし!気合い入れて頑張るぞ!」
そうして兄弟の絆により一人のVtuberが誕生することとなる
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「だめだよぉ…大政返事全然来ないよ」
「いやいや、そんなにすぐに返事来るわけ無いだろ。向こうにも悩む時間くらいあげてやれよな」
「あ、そっか。ってあ!返信来た!よっしゃぁぁ!仕事受けてくれるって!」
「まじか!良かったな!これでデビューは出来るな!(まぁ、受けてくれることは大方予想はついてたけど)」
「ん?どうした大政?」
「あ、いやなんでもない」
こうして一人の暗躍によって少しづつ歯車が回り始めた
そうしておおよそ二ヶ月半後…
『どうぞ…完成しましたよ!』
「おぉ!ありがとうございます!」
ついに待ちに待った体が出来上がったのだ
早速送られてきたデータをダウンロードする
「こ、これが俺の姿…」
『あ、あのぉ、気に入りませんでしたか?』
「いや、控えめにいって神です、ゴッドです。まじですこです」
『そ、そこまで言われると恥ずかしいいです…気に入ってくれて嬉しいです!』
データを解凍し立ち上げた後、俺は驚愕した。めっちゃクオリティ高いやん、そこら辺の有名企業並みの綺麗さだよこれ。
PCの画面には、頭に命と鉢巻きをし、髪は少し長めでリアルの俺と同じように圧倒的オタク感?のオーラが見ただけでも伝わってくるが、それを越えるイケメンさ。まじでイケメンだよ。俺が女性だったら惚れてるわ
「あれ?でも俺、弓道やってるって言ってましたっけ?」
一つ気になったことそれは何故か弓を背中にしょってる事だ、実際弓道をやっているのだが、そんなこと言ったっけなぁ
『えぇ?言ってましたよね?チャットで特技弓道って?』
「そ、そうだっけか?別に事実だからいいんですけども…これ本当に40万でいいんですか?そんなんじゃたりないでしょ?」
『それは大丈夫ですよ!匿名の支援?があったてことで、祐介さんが有名になれば私も少し有名になれるはずですし!』
う~ん?匿名の支援ってなんだ?どっかから助成金出てるのかなぁ?それに宣伝費って言われても、そんなに宣伝になるもんなのかなぁ?
「それに私、一回Vtuberのママになってみたかったですし!しんじゅママですよ!」
「お、おぉ?そうですね」
Vtuberの体の絵を担当した人はママと呼ばれるのが一般的だがここまで嬉しそうにするもんなのかねぇ、まぁいっか
『小道具とかはちょっと種類少ないですけどちょっと作ってみたので良かったら是非使ってくれると嬉しいです!』
「わかりました!」
『じゃぁ、私はちょっとお仕事があるのでここら辺で失礼します~』
「わかりました、まじでありがとうございます」
ボイスチャットが終わった後、早速データをソフトに入れてさっそく動かしてみた
「うぉぉ…すっげぇ。2Dでもめっちゃヌルヌル動くじゃん。絵だけじゃなくて体の作りも凄い…大政がくれたカメラのおかげもあるけど、それにしても素人から見てもエグいなぁ」
一通り確認し終わった所でようやく自己紹介動画を取り始めるのだった
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