第19話 独占型の才能を開花させたい 番外編 彼女目線②
でも、今の彼氏は違う。
私がわがまま言っても全部受け止めてくれるし、電話だって毎日してるもんね。
私のこと大好きでいてくれる。
今日も遊びに行くんだー。
『最近、彼女の束縛激しいんだよね。電話毎日とか、女子と喋るなとかさ…』
『なにそれ彼女重すぎでしょ笑笑。うちならそんな思いさせないのになー』
彼氏の携帯のSNSにはこんなメッセージがあった。
なにこれ?ありえないんだけど。意味わからない、私が重い?ふざけんな。毎日電話を嬉しいって言ってたし、女子と話さないでって言っても分かったって笑顔で言ってたじゃん。
私が怒りと戸惑いの最中にいると、ふいに携帯を取り上げられ、
「ちょっと、何勝手に携帯見てんの?意味わかんないんだけど」
って彼氏が言った。
はぁ?意味わかんないのはこっちなんだけど!
女子とSNSしないでって言ったよね?しかもしてるだけじゃなくて私の悪口とかありえない。
私の思いを彼にぶつけた。
ふぅふぅ、わかってくれた?わかってくれるよね。いいよ、謝ったら今なら許してあげる。
しかし、彼が言った言葉は私が予想していた言葉とは全く違っていた。
「まじちょっと俺たち距離おこ。合わない気がするし」
は?意味わかんない。
なんで私の言ってる意味がわかんないの?
私はまだ言いたいことがあるといった態度を示していたが、彼はとりあえず帰るわって行ってしまった。
なんで?なんでいつもみんな私を置いていくの? 意味わかんない。初めはみんな寂しい思いさせないよって言うくせに私が求めると誰も私の全てを受け止めてくれないでどこかに行ってしまう。
なによそれ、どこが寂しい思いをさせないよ、な訳?
彼が帰って時間が経つと徐々に自分の行動が悪かったように思えてきた。
あんなに怒らなくてよかったかな、寂しいって素直に言えばよかったかな。
わかってる、本当はわかってる。ちょっと重いかもしれないかなって。
でもさ、女子と話してたら好きになっちゃうんじゃないのって不安になるし、SNSしてたら隠れて浮気してんじゃないのって思っちゃう。
思っちゃうんだもん、しょうがなくない?だから見ちゃうんだよ、私だって見たくないのに、あなたが怪しいことするから疑っちゃうんだよ。
こんな自分嫌だ。
自分でもわかってるけど、変えられないし、変われない。なんか生きづらい。
でもいいよ、私には他にいるし。次は誰にしよかな、別にあなたじゃなくったって構わないもの。
寂しい時にいてくれない彼氏なんていらない。
新しい人が見つかったら、私からさようならを言うから。
私はクラスの中から目ぼしい人を探そうと、男の子と話しながらも、普段よりもより、クラスの男の子を眺めた。
今喋っている子は私のこと好きじゃなさそうだし、あの子は彼女がいるし…。
私は人のものには興味ない。人のものである時点で私だけのものじゃない。なら、そんな人いらないわ。私だけの人じゃないと…。
そんなことを考えていると急に、
「ねぇ、それってパピぷニューギニアのライブキーホルダーだよね?」
と話しかけられた。
え?だれ?
驚いて顔をみるが、全く見覚えはない。
なに?私が彼氏とうまく行ってないとかいう噂でも耳にしたわけ?いるのよね、そういう人。
そういう人は私のこと大切にしてくれないから嫌。
って、、あれ?なんで言った?パピぷの話してた?やだ!好きな人いるの?
私は、パピぷを好きだという人に初めて会った嬉しさで、相手のことを知らないことなんて忘れてパピぷの愛についてたくさん語ってしまった。
中学時代にハマったこと、好きな曲、、
彼は私の話をニコニコと聞いてくれ、聞き上手な人だった。
なにこの人、趣味も合うし、すごく話しやすくていい人!
そこから私は彼に休み時間の度に話しかけるようになっていた。話しやすい上に、彼からは全くと言って良いほどいい意味で好意を全く感じなかった。
それが私にとっては嬉しかったし、最近寂しい私にとっては願ってもない相手だった。
いつも私の話を聞いてくれるし、なにせ唯一のパピぷ友達だしね。
それに、なにをお願いしても聞いてくれるし、いっつも笑顔で話してて楽しいし。
でも最近、彼と話していると気づいたら誰かに見られてる。この間視線に気づき、ふっと見るとクラスの女子が私のことを見てた。
あの子誰だっけ?
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