ヤンデレこそハッピーエンド〜ヤンデレが好きすぎて全人類ヤンデレにしたい〜
ナガレカワ
第0話 ヤンデレを作りたい
「好きなタイプとかある?」
そう言われて僕は即答する。
ヤンデレである、と。
ヤンデレこそ至高である。
笑顔で話していたかと思えば、少し狂気を感じる言動や行動をする。しかしそれは愛があればこそ…。そして僕を一番大切にしてくれる、必要としてくれる。そんな存在が他にあるだろうか!
僕とヤンデレとの出会いは中学2年生の頃。
たまたま見たアニメの影響だった。
そのアニメは、主人公とその幼馴染の恋愛ものでいわゆるラブコメ。その中で、主人公を好きになる当て馬的存在の女の子がいた。
その子は、前半は明るいキャラクターだったのだが、後半になると両親に虐待を受けていたという、暗い過去が明らかとなった。
しかし、その過去を主人公が受け止めてくれると、主人公に好意を抱くと同時に、キャラが変わったように主人公を独占しようとし始め、ヒロインの邪魔をするようになった。
連絡を頻繁に求め、泣いて電話をする。あなたがいないと生きていけないと縋る…といったヤンデレといったら!といった行動を繰り返した。
主人公達は、その障壁となる彼女を共に乗り越えて、彼女のこれからもサポートすることで結ばれハッピーエンドを迎える。
しかし、僕は途中から物語の進む方向などどうでも良くなってしまった。そのヤンデレ少女に目が釘付けになってしまったのだから。
なんであんなに主人公のことを好きになれるんだろうか、なぜこんなにも彼のために行動ができるんだろうか…と。
まぁつまりギャップだ。
普段との笑顔と狂気のギャップ、僕がいないとダメだと感じさせる点、これこそがヤンデレの魅力であり、天才的な点であるであると僕は思う。
ここが僕が三年間通う高校か。
僕はこの春高校に入学した。そしてここで僕は最高のヤンデレをみつける!
これこそがぼくの高校3年間の目標だ。
と意気込んでいたのはいいが、僕は今絶望的な状況になっていた。
なんと、、1週間なってもヤンデレの片鱗さえとある人がいない!
中学ではヤンデレに目覚めてからあまり時間がなかったし、高校に行けば人も増えるからさぞかしたくさんのヤンデレがいると踏んでいたのだが…。
僕は悲しみのどん底に突き落とされた。
僕はこの3年間、どんなモチベーションで生きていけばいいんだ…!
そんな悲しみにくれること数日…。
そこで僕は気づいた。あれ?ヤンデレがいないのならば自分で作ればいいのでは?
物語の中でも最初からヤンデレではない人も多い。主人公と関わることで才能が目覚め、ヤンデレとなることもある…。
ということはつまり、僕がその主人公の役割をすれば、自分と関わる人をヤンデレにしていけば世界をヤンデレで溢れさせることも可能なのではないか?と。
これはそんな僕が全人類をヤンデレにするため立ち向かう物語である。
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