パワハラ・セクハラ・クズ・クソ・ゴミ・カス

エリー.ファー

パワハラ・セクハラ・クズ・クソ・ゴミ・カス

「やめちまえ」

「バカが死ね」

「こんなこともできないのか」

「静かに仕事しろ」

「頼んだ資料はまだなのか」

「これはパワハラじゃなくて教育だからな」

「声が小さいんだよ」

「俺の若いころはもっと大変だった」

「商材を愛していないから、客がお前に恋をしないんだ」

「その声は客の心に届くことを想定してるのか」

「報告、連絡、相談の前に契約成立だろうがよ、分かってんのかてめぇ」

「親でも友達でもいいから、片っ端から電話をかけてノルマを達成してこいよ」

「この勤続年数で、これくらいの働きっていうのは、給料泥棒なんじゃないかなあ」

「体を使ってもいいからどうにかしてこい」

「マニュアルなんてものはねぇから」

「うちは、体で覚えるんだよ」

「は、やっとけって言っただろ。覚えてねぇのかよ」

「死ねよ、ゴミ」

「使えねーな、お前は」

「女に生まれて楽して生きようとするから罰が当たったんだな」

「男らしくしゃきっとできねーのかよ」

「走れよ、バカ」

「うぜーなぁ、声がうぜーよ、お前は」

「クソゴミ」

「資料整理やっとけ。もう、お前に仕事なんか任せねぇからな」

「コピー係な。これから、お前はコピー機の前に立って、コピーをするコピー係だからな」

「この会社にセクハラとかねぇから」

「サービス残業とかしなくていいから、定時で終わらせろよ、なっ」

「ほら、タイムカード走って切ってこい。説教はその後な」

「テープレコーダーとか持ってても無駄だからな」

「死ね」

「終電まで仕事な。そっから残業。分かったか」

「返事が小さいんだよ。分かったかって聞いてんの」

「お前は何をやっても遅いよな」

「なんで経費精算してんの。あのさ、そういうのやめて。だから、経費精算。お前、結果を出せてないよね。じゃあ、お前にかける金とかないよね」

「殺すぞ。は、聞こえなかったの。ぶっ殺すって言ったの。分かったか」

「座るな。終業まで立ってろ」

「階段の上り下りやってて。ずっと、やってて。俺がいいって言うまで。」

「お前みたいなゴミにそのスーツはもったいないな」

「才能ないな」

「お前はやる気が足りないんだよ」

「ボケが、殺すぞ」

「バカが、死ねボケ」

「ノルマ達成できなかったやつに払う金とかねぇからな」

「吐くまで飲め、吐いても飲め。分かったか」

「パワハラは慣れるから。別に問題でもなんでもねぇから」

「お前、人事部に相談しただろ。なぁ、隠れてなんかやってると思ったらそういうことかよ。人事部のやつに聞いたらすぐに教えてくれたよ。面倒ごとが増えそうだから、部署内で処理してくれってむしろ頼まれたくらいだから笑っちまったよ。なぁ、お前のこと絶対に許さねぇからな」

「あーあ、クソ無能が自殺してくれたらこの苛々もなくなるのになぁ。なぁ、分かってんのか、おい」

「死ぬかー、なぁ、死ぬかー」

「なんで、こんな無能が給料もらってんだよ、おかしいじゃねぇかよ」

「お前さ、ここ全部払えよ。こんなクソまずい店に来てストレスたまってるわけよ、こっちは。じゃあ、一番下が気を使って払えってこと。ほら、さっさと行けよバカ」

「死ーねっ、死ーねっ、死ーねっ」

「早く、死ねっ。死ねっ」

「死ね死ね死ね。死んじゃえよ、お前。死ねって」



 私は、言われたこともありません。

 しかし。

 私は、言われたことのある人たちがいることを知っています。

 何ができるのでしょうか。

 言われたことのない人たちも、言われたことのある人たちも。

 何ができるというのでしょうか。

 

「だから、ここに書いてやったんだよ。SNSとかニュースとか動画サイトとかで、聞いたりして、まるで遠くの国でやってる戦争みたいなリアルのなさが怖いから、書き連ねるしかねぇなって思ったんだよ。気づいたやつが、自分の血で落書きしていくしかねぇなって思ったんだよ」


 あぁ、表現を間違えました。

 遠くの国でやっている戦争もリアルなのですね。


「別にバカにしてるとかそういう意味じゃないんだけどさ。リアルをリアルとして享受できない心がこえぇのよ。分かるでしょ。セクハラよりも、パワハラよりも、ブラック企業よりも、戦争よりも、一番近い所にある自分の心に疾患を見つけちまったような。その、なんていうのかな」


 自分を信じられなくなるんです。

 お願いします。


「もっと軽い気持ちで言いたいよな。ラブ&ピースってさ」

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