自分の哲学
奏〜カナエ〜
自分の哲学
「明日世界が終わる」
僕はどんなに辛い事が起きてもこう思う事で乗り越えてきた。
地球に巨大隕石が降ってくるかもしれない、宇宙人が侵略してきて皆殺しにされるかもしれない。今まで大丈夫だったからといって明日人類が絶対に生き残っているという補償なんてどこにもない。
ペアを作ってと言われて余った時も、スピードを緩めなかった車のせいでびしょ濡れになった時も。「どうせ明日で世界が終わるからこんなことどうでもいい」と、自分に言い聞かせてきた。
当たり前だが、世界が終わった事など一度も無い。でも、一番辛いその時だけでも自分の心を逃してあげる。そうすれば、次の日にはほとんどの物事がどうでもよくなる。
教室に入りHRが始まるまでスマホを構う。クラスの真ん中では下品な声で笑う陽キャ共が群れを成す。クラスのあちこちで数人で固まっている陰キャ共はずっとニヤけながらアニメがどうだとか話している。
僕はこいつらとは違い一人が好きだ。この高校に入学した時に担任が話していたが、「友人を作るのには相手の事を知ろうとする」のが大事らしい。でも、薄っぺらい人生を送っているであろう、こいつらの話を聞くくらいならスマホと睨めっこをしている方がまだ楽しい。
その時、
「三浦くん、おはよう!!」
と、朝とは思えないテンションで挨拶され反射的に
「あ、あぁ、おはよう。」
と、返した。
自分の哲学 奏〜カナエ〜 @mukiziro
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