俺がモブでモブが主人公で
いちご俺
第1話 俺が主人公であいつがモブのはず
サッカー部のエース、更に読モときたら
何が思い浮かぶだろう。
真っ先にカーストトップの陽キャっぽいと思うだろう。
この明光学園二年一組にその主人公のようなステータスを持った
「なぁ陽介部活行くべー」
そう声をかけるのは陽介の幼馴染で、同じサッカー部の
「もうちょい待てよ、今いいとこなんだから」
陽介はスマホゲームをしながらそう言う。
「早くしてくれよなぁ。それはそうとあいつ懲りずにまだ学校に来やがるよな」
「あの陰キャのことか、散々いじめてやったのにな」
と、いじめという卑劣な行為をしているにも関わらず笑いながら同じクラスの
「あいつ陰キャのくせに生意気だよな」
「それな、あいつこの前ずっと睨んできてたから腹に一発お見舞いしてやったわ」
そんなどうしようもなく性格の悪い話をしていると同じクラスメイトで高嶺の花で陽介の片思い相手でもある、
「もうやめてください、そんな卑劣なことは」
「いや、やめろって言われてもあいつが陰気臭くて情けねぇのが悪ぃんだよ。なぁ芽流?」
そう言ってクラスメイトで同じグループの褐色ギャルの
「あいつ悪いことしてないのになんでって思った。喋ってみたら面白いやつだしウチあんたとつるむの辞める」
「何言ってんだよ芽流お前が気に入らないと思ってやってたのに」
「別に頼んでないし。じゃあね。一緒に帰ろ白田さん」
そう言いながら黒井は白田と帰っていく
「なんであんなやつの味方すんだよ。悪ぃ俊今日は帰る」
「ちょっと待ってよ陽介!」
それだけ言い放ち俊太の言葉を無視して陽介は家に帰る。
翌朝、陽介が教室に入った時には白田、黒井そして影出が3人で話していた。
陽介は苛立ち、物に当たりながら席に座る。
「そんな陰キャのどこがいいんだろうな〜」
大声で嫌味を言うと女子二人が突っかかる
「あなたみたいに性格が悪い人より影出くんの方がかっこいいです」
「そうだよ陽介、ダサすぎる」
好きな女の子である白田に加え自分の仲間だと思っていた黒井にも非難される。
なんで俺が陽キャで、主人公の俺が、
あんなモブみたいなやつに負けんだよ。
だが他の女子達は顔だけは良い陽介に群がる。
「甲斐田くん、私は甲斐田の味方だよ」
「そうだよあんな陰キャなんて放っておこうよ」
周りのモブの様な女子達の声は陽介の耳には入ってこなかった。
この時の陽介はいかに影出を陥れるか、それだけを考えていた。
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