恋愛基準

ニ光 美徳

第1話

 見た目か中身か、貴方は何を基準に人を好きになりますか?


 俺は夏河なつかわ れん。中学2年生。


 子供でもなく大人とも言えない、いろんな気持ちがすごく揺れ動くお年頃。


 最近、いろんなことについて考える事が多くなったと自覚している。


 小学生の頃なんて、何にも考えずに遊んだり、サッカーしたり、勉強もちょっとだけ頑張ったり。


 全然というわけでもないけど、悩みなんてほとんど無かったかもしれない。


 でも俺は今、とっても悩んでいる。


 俺をすごく悩ませるもの、それは…


恋だ!


 2年生になって同じクラスになった温森ぬくもりさん!


 くぅぅ…声に出すこともためらってしまう、温森さん!

 

 俺実は、イケメンみたいだ。悩まなくても、ちょっと声をかけるだけですぐ付き合えると、皆はきっとそう思うだろう…。


 でも俺は、温森さんに近づくことさえできないのだ。


 正直、俺はモテる。


 告白された事も何回かある。


 学校で、1番可愛いと言われる女の子、姫里ひめさとが俺の事を好きらしい。


 毎日、俺のそばに寄ってきて、いろんな話をする。

 結構、ずっと一緒にいる。


同じ小学校の3年生で出会い、同じクラスになったり、違うクラスになったり、また一緒になったり。


 クラスが離れていても、気が付いたらそこにいるっていう感じだ。


 ただ、2人っきりというわけではない。


 いつも学年毎に大体決まったメンバーで集まってる。


 最近は俺と、男友達の藍山あいやま近江おうみ、そして姫里と女友達の共田ともだ


 この中で藍山だけはずっと一緒のクラスだ。腐れ縁てやつか。


 周りは俺と姫里が付き合ってると思ってるらしいが、違う。「付き合おう」って、俺からも姫里も言ってない。


 ただ、フワッと漂う“好き…”っていう空気を姫里から感じなくはない。


 でも、ごめん!


 俺は温森さんを見つけてしまったんだ!

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