ステータスに目覚めて気づいたけど、俺の周りの人たちがヤバかった件

序章「目覚め」

第1話 ステータス

 俺は今、とても困惑している。約16年間生きてきた中で恐らく一番困惑しているだろう。


 何故かって?それはだな。


「なに?この画面」


ステータス―――――――――――――


日野森ひのもり 雄二ゆうじ

レベル 1

生命力 15/15

魔 力 2/2

攻撃力 11

防御力 8

魔 攻 4

精神力 3

敏 捷 7

幸 運 28


・固有スキル

アナウンスLv1 コピーLv1


・スキル


・魔術


・装備

ただのパジャマ≪一式≫ 


・SP 50


・現在のミッション表示


――――――――――――――――――


 そう、俺の目の前にゲームでよくあるステータス画面があるのだ。朝、目覚めるとあった。


「マジでこれ何なん」


(これはマスターのステータスです)


「うおぅ!!」


 俺が疑問に思っていると、急に頭の中に機械音声みたいな声が聞こえた。誰だ!?今さっきの声は!?


(マスターのスキル『アナウンス』です。これからよろしくお願いします。マイマスター)


「・・・」


 そうだ。これは夢だ。そう夢なんだ。急にステータスが現れるし、謎の声が聞こえるし、これはもう絶対夢だ。現実の俺。速く目覚めてくれ。


(いえ、これは夢ではありません。現実です)


「・・・はぁ~。現実逃避は辞めよう。むなしいだけだ。・・・で、貴方の名前は?」


(私には名前がありません。どうぞ、アナウンスとお呼びください)


 どうやらこのアナウンス?さんには名前が無いようだ。アナウンスって呼ぶのもなんか変だし名前つけるか。


「アナウンスさん。名前が無いのは寂しいからアナウンスをもじって『アスナ』なんてどうかな」


(分かりました。これからはアナウンス改めアスナとしてマスターをサポートします)


「よろしくねアスナ。で、これなに?」


 俺は目の前にあるステータス画面を指差す。今までは考えずに会話していたが、急にこんなの現れたから説明をしてほしいものだろう。


(はい、これはマスターの現在のステータスです)


「それは聞いた。どうして俺にこんなものがあるのか聞きたい」


(マスターは異能に目覚めました)


「異能?」


(はい、異能です。マスターはステータスという極めて珍しい異能に目覚めました)


「異能ってファンタジーの手から炎出したり空を飛んだりするあれか?」


(その認識で大丈夫です。マスターは突然変異異能発現者です)


「突然変異いの、なんて?」


(突然変異異能発現者です。これは遺伝子が突然変異して異能を得るとても珍しい事例です)


「よ、良く分からんが、なんか凄いことになったことは分かった」


 異能か、これって持っている人って俺だけじゃないよね。こんな一般高校生に目覚めるだから絶対の他の人にもあるはずだ。


(その通りですマスター。この世界にも異能を持った人は大勢います。しかし、異能を持っている人は皆、『能力』と言っています。)


「あれ?アスナって心の中でも会話できるのか?」


(はい、出来ます)


「そうなのか」


 もし、人前で会話しようもんなら独り言を言っている変人になるからな。それは避けったのでありがたい。けど、今は人もいないので喋って会話する。


「あと、このステータスって他の人も持っている人いるのか?」


(おそらく、持っている人はいないでしょう。今まで確認されなかった異能なのでマスターが初です)


「へぇ~、しかし異能か。これで俺も一般人ではなくなったのか」


(はい、今のステータスは一般高校生のステータスですが、レベル上げるやスキルを得る、ミッションをクリアすることでステータスが上がります。すぐに一般人を卒業するでしょう)


「あ!そうだよ。ミッションだよ。これって何?」


 ステータスの生命力や魔力、スキルやSPって言うのはVRMMO小説を読んでいるので分かるが、ミッションていうのが良く分からなった。ミッションって普通、誰かからお願いされて出る者じゃないのか?


(では説明します。まず、現在のミッションを表示を押してください)


 俺はアスナの言う通り押してみる。すると、画面が更新された。


ミッション―――――――――――――


〈デイリーミッション〉残り約17時間


・10km走ろう。


・腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワット、それぞれ100回ずつ

しよう。 


・本を一冊読もう。


報酬;どれかの一つのステータス+3、SP5獲得


〈ウィークリーミッション〉残り6日17時間


・合計で100km走ろう。


・10kgの重りをつけて腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワット、それぞれ100回ずつしよう。


・魔物を一匹倒そう。


報酬;全ステータス+5、謎の魔術本


〈主要ミッション〉


・スキルを使ってみよう

報酬;ランダムスキル本


・魔術を使用してみよう。

報酬;魔力+5


・魔物を倒してみよう

報酬;謎の剣


――――――――――――――――――


 と、いっぱい出てきた。なるほど、ミッションをクリアすれば色々もらえるって事か。


(はい、その通りです。なので積極的にミッションに挑んで下さい)


「それは分かったが、魔物を倒してみようってまさかこの世界に魔物って存在するのか?」


(いえ、この世界にはいません。魔物がいるのは別世界です)


「じゃあ、魔物を倒すって無理じゃね?」


(いえ、魔物は時々この世界に現れます。ですが、出てきたとしてもこの世界に通じる世界、『反鏡世界』に現れます。しかし、稀に強い魔物は反鏡世界を破ってこっちの世界に現れます。なので、反鏡世界に現れた魔物は能力者や魔術師、陰陽師などが倒します)


「ん?待って!?この世界って能力者だけじゃなくて魔術師や陰陽師までいるのか!?」


(はい、存在します)


「マジかよ」


 俺が知らない世界は意外とファンタジーしてたんだな。


(ちなみに、能力者と魔術師は仲が悪いです。陰陽師はその仲裁役です)


「へぇ~そうなのか。どうしてなんだ?」


(詳しくは分かっていませんが約3000年間、仲が悪いです。度々軽い戦争しています)


「そ、そうなのか」


 なるべく関わらないでおこう。面倒ごとは避けたい。


「取り合えず、この世界の事は分かった。じゃあまずはスキルを得よう。SPを消費すればいいんだよね」


(はい、その通りです。おすすめは『鑑定』と『探知』です。『鑑定』は相手の情報を知る事が出来て、『探知』は魔力を辿る事が出来ます。『探知』を使えば魔物がどこにいるか分かります。『探知』は私が常備発動しているのですぐに分かります。スキル習得はSPを押してもらえれば現在習得可能なスキルの一覧が出てきます)


「分かった」


 俺はSPを押す。すると、たくさんのスキル達が出てくるがその中から『鑑定』と『探知』、おまけに『剣術』を取った。『鑑定』がSP25で『探知』が20だったので余ったSP5で『剣術』を取ってしまった。・・・だって男の憧れじゃん剣って。


「よし!これでいいな」


(武術スキルは熟練度が非常に上げにくいので上げるの頑張って下さい)


 どうやら『剣術』はレベルが上げにくいそうだ。まぁ、いきなりの素人が急に達人になるって剣を極めている人に失礼だもんな。その点は地道に頑張るか。


「一旦ここまでにしようか。朝ごはん作らないといけないし」


(マスターには妹さんがいるのですね)


「あぁ、義理だがとっても可愛い妹だ」


 そうして、俺は部屋を出て一階へ向かった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る