冥界のお仕事って思ってたより全然楽じゃないんだけど!!
神白ジュン
1 私たちの…
「なんで毎回こんなとこから出なきゃいけないのよぉ!」
「永夜…仕方ないでしょ私たち立場が弱いもん…」
「常夜…分かりきったこと言わないでぇ…」
「次の人早く見つけないと怒られちゃう…」
月夜の灯り以外に、真っ暗で人気の無い墓地。少女たちが居るには異質すぎる場所に、二人の声のみが木霊する。そして今夜も『人探しの旅』という名の仕事に出る。
「もう、あんまり遅いと置いてっちゃうわよ!ただでさえここの雰囲気嫌いなのに!!」
「待って…お姉ちゃん…はぁ…私が体力無いの知ってるでしょ…」
「あっちの人間に体力なんて概念ないでしょ笑」
「そんな事言ったらなんでそんなに明るくキラキラしてるの…?正直あっちの中でもかなり浮いてるよ?」
「いいじゃない、ジメジメした向こうよりこっちの方が雰囲気好きなのよ、あんたも別に嫌いじゃないでしょ?」
「まぁ、そうだけd…」
刹那、何かを見つけた姉はすかさず妹の口を塞いだ。
「シッ!、見つけたわ!あの人ならきっと…
持っていけるはず!!」
月の灯りに照らされた先には、フラフラと覚束ない足取りをした男性が一人。墓参り以外に滅多に人の訪れないこの場所に、この時間帯。二人はこの人物が死に場所を求めて彷徨っているのだと確信する他無かった。
『魂さん一名、ご案内〜!!』
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