第51話
「ハッピーハロウィーン!!お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ?」
「いたずらしちゃうぞ?」
今日は十月三十一日。ハロウィーンだ。
二人とも仮装をした格好で、僕に見せつけるようにお菓子をねだってくる。
絵里ちゃんは、魔女の帽子をかぶっていて、お腹が出ているきわどい格好で僕の事を誘惑している。
美穂さんはより際どい悪魔の仮装をしていて、胸ははみ出てしまいそうな程で、お尻の方には尻尾がついていて、まるでサキュバスだ。
「はい、これお菓子」
「やったー!!........って、これじゃあいたずらできない!?」
いちいち反応が可愛い。
「雪花お兄さん、この服どうかな?」
「すっごく可愛いよ。絵里ちゃん」
「むふふ。…興奮する?」
「…………うん」
「むふふ」
「もちろん美穂さんは綺麗ですよ」
「うふふ、ありがと」
「あ、それと美穂さんにも」
「私は、いたずらしたいからいらないかも」
「いたずらって?どんなことですか?」
「それは……ね?」
美穂さんが妖しくほほ笑む。目は爛々と輝いていて、そういうことなんだって理解させられる。
「そ、それは........さぁ、絵里ちゃん。ご飯食べよっか」
「もぅ。まぁ、いいけれど。........どうせ夜には........」
美穂さんが小さくつぶやいた言葉は、聞こえなかったことにしよう。
「じゃあ、いただきます!!」
「いただきまーす。わぁー美味しそう」
「ありがとうね、雪花君」
「少しだけ奮発しちゃいました」
「じゃあ、冷めないうちに食べないと。はい、あーん」
「あーん」
美穂さんからあーんをされる。
最近、やっと慣れてきた。
「あ、私も。はい、あーん」
「ありがとう、あーん」
三人で食事を楽しみ、食後ゆっくりしていると........。
「雪花お兄さん」
「何?」
「こっち向いて?」
「うん........んっ」
お菓子を口に含んだまま絵里ちゃんが僕にキスをする。
いわゆる、口移しだ。
「雪花お兄さんは、お菓子、貰ってないから半分こしないと」
そういたずらっぽくほほ笑んだ絵里ちゃん。
「絵里、ずるいわ。私も」
そう言った美穂さんも口にチョコを含み舌をいれてかき回してくる。
「今日は、特別な夜にしようね」
「朝まで付き合ってもらうから」
いつもより、より一層えっちな雰囲気を漂わせている二人。
仮装しているせいもあってか、本当に食べらちゃうんじゃないかって錯覚してしまう。
だって、二人の眼が肉食獣が獲物を見つけた時のような目をしているから。
「さぁ、こっち」
「行きましょ」
手を引かれ、導かれるように寝室へと三人で入っていく。
嬌声は朝まで止まなかったそうな
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