第46話
「みんなー、笑ってー」
「はーい」
カメラのタイマーをセットして、絵里の隣に並ぶ。
「絵梨花、笑ってー」
「うん!!」
娘の絵梨花も笑顔で写真に写る。
「結構いい写真じゃない」
「そうだね」
僕は母さんの言葉にうなずく。
今日は絵梨花の誕生日。
みんなで、家に集まって写真を撮ることになった。
僕が卒業してから、かなりの年月が経ち、僕にも娘の絵梨花ができた。
絵里のネット活動は今でも順調で登録者数を伸ばし続けていて、美穂さんの仕事も順調だ。
そんな、僕はというと二人を支えている主夫だ。
今でも、これで良かったのかとは思っているけれどこれでいいと思えることの方が多い。
絵梨花の成長を一番近くで見られるからね。
「あなた?家に入るよ?」
「あ、うん。.........やっぱりあなたっていわれるのなれないな」
「い、言わないで。私が一番感じているから」
「可愛い」
「も、もう!」
結婚してからも、絵里は可愛い。
ちなむと、僕は絵里ちゃんを絵里と呼び始めたのは、絵梨花が生まれてからだ。子供に絵里ちゃんと呼ばれているところを見られるのは恥ずかしいらしい。
「美穂さんも行きましょう?」
「はーい」
美穂さんとの仲も前まで以上に良好になっている。
美穂さんとは、結婚はできないけれど僕たち個人での結婚式はしたりもして、僕たちの中では結婚していることになっている。
美穂さんとの子供はいまのところ作る予定はない。
二人で話し合った結果そういうことになったので、作らないことになったけれど.........するときに、あれを最近してないししなくてもいいと妖艶に微笑んでいるからどうなのかは分からないけれど、僕は美穂さんとの子供ができても幸せだと思う。
家の中に入り、僕が席に着く。
「じゃあ、絵梨花の誕生日を祝ってー、乾杯!!」
「かんぱーい」
「おめでとう、絵梨花」
「おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとう!!」
精一杯の笑顔で応える絵梨花が可愛くてついつい撫でてしまう。
「むふふ、パパに撫でてもらうのすきぃ」
「はいはい、今日は誕生日だからなんでもしてあげるからな」
「やったー。じゃあ、ぎゅーってして」
「ご飯食べ終わったらね?」
絵梨花は、純粋にいい子に育っているけれど.........いつか、思春期になって、「パパの洗濯物と一緒にしないで」とか言い始めるのかと思う怖い。
「むぅぅ。私も、後からしてね。あなた?」
「分かったから。娘に嫉妬しないの」
絵里は、最近絵梨花にしてあげたことをしてくれと、対抗意識を燃やしている。
そんなことしなくても、してあげるのに。
みんなで、食べること一時間程度たち、用意した料理もなくなってきたので
「絵梨花ー、これ」
「え!?これって」
「うん、誕生日プレゼント」
「私からも」
「私たちからもあるよ?」
父さんと母さんから。あと、僕たち三人からのプレゼントを貰い、嬉しそうに笑う絵梨花。
「おばあちゃん、おじいちゃん。ありがとう!!」
「良かった」
お礼を言えるいい子に育ったもんだ。
「パパ、ママ、美穂お姉さん。ありがとう。大好き!!」
そうして、僕に抱き着いてきて、絵里、美穂さんもさらに抱き着いてきて、三人で笑いあう。
絵里と美穂さんの事を助けたのは、本当に偶然だっだ。
けれど、この二人の事を助けられて良かった。
今、僕は.........僕たちは幸せだって言える。
これから、困難があるかもしれないし、つらいことだってあるかもしれないけれど、僕は絶対に家族と幸せになって見せる。
今以上に、これからも、この先もずっと。
------------------------------------------------
この物語は、以上です。
が、全然イベント事(ハロウィン、バレンタイン等)に触れられていないためafterを出すので、まだ続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます