第39話
私の人生は、クソみたいなものだった。いや、正確には、小学生までは幸せなものだった。
お母さんとお父さん、私、三人で穏やかな日常を送っていた。
始まりは中学校の時だ。
中学校に入り、一年の時は普通に生活していた。
私は、一年の時から自分で言うとはどうかと思うがモテていた。
女子からはそこそこの妬みや嫉みは受けていたが直接的なものはなく、穏やかな生活を送っていた。
だが、穏やかな生活は一つの出来事で一瞬で崩壊した。
学年の中のアイドル的存在の男が私に告白してきたのだ。
付き合うということに興味がなかった私は、当然断ったし、別にそいつのことを格好いいと思ったりもしななかった。
それが良くなかった。まぁ付き合っていたとしても不幸になっただろうけれど。
その男に媚びていたあいつらは心底私のことが気に入らなかったのか、私に目をつけた。
最初は教科書を隠されたり、下履きがなくなったりしただけだった。
私も子供だなと思って受け流していた。
それも良くなかったのか、さらにあいつたちの構ってモードに火をつけ、過激になっていった。
段々とクラスの人たちに無視されるようになり、トイレに行けば上から水をかけられ、机が教室から無くなったときもあった。机に虫の死骸とか入れられたこともあった。体操服もどこかに行ってしまったし。散々だった。
中学生の私の心は段々と荒んでいった
大好きなお父さんとお母さんに、私は心配をかけたくはなかったのだ。
誰にも言えず、私は耐え続けていたが、決壊してしまった。
一度学校を休んでしまうと二度と部屋から出たくなくなり、誰とも話したくなくなった。
だが、そんな自分をとてつもなく不甲斐なく思ったし、お父さんやお母さんに申し訳なくて
心身共に疲れていき、やつれてていった。
私なんかいない方がいいんじゃ無いかって考え始めてしまった時、お父さんが私の心を言葉で引き留めてくれた。
お父さんの心は温かかった。
抱きしめてくれた時のぬくもりが大好きだった。
だけれど..........大好きなお父さんまでいなくなってしまった。
私の心は限りなく無だった。
何もかも諦めてしまった。
そんなクソみたいな人生の最後の希望である最愛の雪花お兄さん。
私が、雪花お兄さんに働かずに家にいて欲しい理由は、事故にあって欲しくないから。どこへも行って欲しくないからだと思う。
まぁ、それは一旦置いておこう。
そんな私の人生を壊した元凶が今、現れた。
隣の雪花お兄さんの握る手は段々と強くなっていき、顔を見ると、今にもこの阿呆達を殴ってしまいそうなほどだった。
だけれど、それをさせてはいけない。
これは、私の問題で、これ以上逃げちゃいけないから。
私は、雪花お兄さんと前を向きたいから。
こいつらと..........過去の自分と決別する。
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