私と結婚してくれませんか?
蓬莱蒼璃
運命
私は一目惚れをした。
ある朝、入学式の日に電車でスマホを落としてしまった。
私は慌てて、スマホを探す。
「これ違いますか?」
そう言って差し出されたのはスマホカバーも何も付けていない剥き出された薄ピンク色のスマホ。
正しく、私のスマホだった。
「これです! ありがとうございます」
「見つかって、良かったです」
「お礼を......」と言いかけた頃には、もう既に居なかった。
嵐のような人だった。
私も遅刻ギリギリだった為、走ってその場を後にした。
ギリギリ入学式には間に合った。
私は1年2組。
自分の教室へと行った。
教壇には既に担任の先生らしき人が立っていた。
私は驚いた。
どんな確率で、どんな運命なんだろうって思った。
今朝、スマホを拾ってくれたのが担任の先生だった。
先生は新任で、まだ27歳だった。
私と11歳差......。
生徒と先生。
これって禁断の恋ですか?
私は先生観察を始めることにした。
先生のことをよく知りたい。
私のことを知ってほしい。
だから私は......。
「先生ー。お菓子どうぞー」
私は先生をお菓子で釣って、いろんな話を聞いたり、話をした。
先生は甘党で、長男で、年子の弟さんが居る。
高身長でメガネだから、他の生徒にも人気。
なんと言っても独身!
これで結婚してたら、私はどうすることも出来なかったから。
ほっと一安心。
まだ私にも可能性があるって思ってもいいよね?
私はある日、耳にした。
「先生のことが好きなんです。私と付き合ってください」
そう先生の告白現場に遭遇してしまった。
「気持ちは嬉しいが、答えられない」
いやー。先生はモテますなー。
私は何故か、関心していた。
そして、先生への元へと歩み寄る。
「先生。モテモテですねー」
私は笑顔で先生を茶化す。
「たくさんの人にモテても、好きな人にモテないと意味がありません」
そう言って、去って行った後ろ姿をただただ見つめていた。
先生は好きな人いるんですか?
もし私が告白してもこの気持ちは届きませんか?
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