第12話夜叉姫

私は、主人公になることができませんでした。

【完結】 セブルス・スラグホーン - 10.秘密の部屋3 - ンは、ハグリッド先生です(前編) - ンッ

「さて。これからどうします?

校長先生」

ダンブルドア先生はマクゴナガル先生に問うた。 あの後、ダンブルドア先生は“石”を回収し、スネイプ先生の救出に向かっていた。 途中、グレンジャー嬢とポッター少年と共に脱出したのだが・・・彼は、“石”を持っていなかった。 そしてもう一つ。彼の妹分であるダフネも一緒に戻ってきていないのだ。 ダンブルドア先生が『不死鳥』で連絡を取り合っているため無事なのは分かっている。 だが、彼女は未だに戻ってこない。 つまり行方不明なのだ。しかも魔法省には頼れない。

何故なら彼女が『魔女狩り』に遭ったことを話していないからだ。 それを知ったら魔法省や神秘部はこぞって彼女を尋問しようとするだろう。 そうなれば、彼女の身の安全は保障できないどころか最悪ホルマリン漬けだ。 故にこの事件についてダンブルドア先生とマクゴガナル先生にしか話してはいないのだ。 ちなみにハリーとロンは知らないままだ。 この状態で生徒たちを危険地帯に連れていくわけにはいかない、ということで秘密裏に調査を進めることが決定されたわけだ。「そうですね・・・まずは“賢者様”のお話を聞くべきかと・・・」 そう言ってマクゴガナル先生は目を伏せる。

セブルス=スラグホーン - 11. 秘密の部屋2 - ンは闇祓いになった - ンは、闇祓いになった - んッ!! - ンは、闇祓いになった

***

セブルス=スラグホーンにとって、“彼女”は非常に複雑な存在だった。

何しろ、彼女は自分が最も信頼を置く相手でもあったのだから。

*

*

*

それは突然のことだった。

「・・・スラグホーンと“リリー”の間にできた娘か?」

そう尋ねたセブルスは、その答えを聞いて愕然としたのだ。「はい。ジェームズ・ポッターの子です。セブルスさんならご存じですよね?

私の母の名前ですよ!」 私は知っている。 この子の名前は、セシリアだ。 かつてヴォルデモート卿によって殺されかけた私を救ってくれた恩人であり、私が心から愛した女性の名前だった。*1 しかし、セシリアは死んでいるはずだ。あの時からずっと年を取っていない。 セブルスはまだ生きているという現実を認めたくなかったのだ。 だから私は問うたのだ。「ああそうだとも。君が言う通りジェームズ君の子だよ」 肯定の声が返ってきてセブルスは息を呑む。「あの後・・・私が君に救われた後のことは聞いていなかったね?」 ジェームズが、シリウスが脱走した時のことだ。セブルスはその時のことを思い出す。

セブルスには、この少女がなぜここにいるのかわからなかった。 だが、すぐに理解した。 この少女は“姿くらまし”を使ったのだ。そして、おそらくダンブルドアにも行き先を伝えてないのだろう。そうでなければわざわざ魔法省の役人がやってきて説明をするわけがないからだ。つまり、彼女が無断でこの場にいることに他ならない。 もちろん、ダンブルドアやハグリッドといった面々は知らないだろう。彼らは今とても忙しいので、自分の娘の様子を見る暇はないだろうし、仮に見たとしても見間違いだと思ったに違いない。

セブルス=スラグホーンとしては、彼女がここにいてはいけないと思っているのだが・・・。「それで、君は何をしに来たんだい?」 セブルスの言葉に、少女――セシリアは目をぱちくりさせ、一瞬固まった。そして次の瞬間、満面の笑みになったかと思うと、ぴょんぴょんと跳ねて全身で喜びを表現した。 その笑顔にセブルスは面食らう。「え?!えっとですね・・・」 急に笑顔になって飛び跳ねる少女の姿に困惑しつつ、セブルスは話を聞くことにした。 すると彼女は、自分がダンブルドア軍の関係者であると明かし、さらに言った。 自分は、『セフィー』というジェームズ=ポッターの子なのだと。 セブルスは目を見開いた。確かに彼女の言う通りだった。

【本編完結】ハリー・ポッターと月香の狩人 - 第0話 『狩人と校長室へ』(上) - ンは、夢を見る

そこは大きな広間だ。広間の壁には様々な動物の剥製などが掲げられ、天井にはいくつものシャンデリアがある。まるで城の中庭のようだ。そんな大広間の中の一角では、二人の男女が向かい合って座っている。一人は、古風な格好をした男性だった。彼は老人であるように見え、杖を手に持っていることから魔法使いであることが分かる。もう一人はその弟子と思われる若い男であり、黒いローブを着ているようだ。男は手に持った

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