チケット03「愛のコリーダは永遠に」上田温泉①

※写真は作者の「近況ノート」(2022年4月28日)に添付してあります。

 下記のURLをクリックいただけると移動できます。

【写真】

https://kakuyomu.jp/users/0035toto/news/16816927862927580028


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今回は「格安旅行」での思い出です。


場所は「上田温泉」です。

2016年の旅ですが、NHK大河「真田丸」の後に「上田城」見物が目当です。


添付の写真は、宿泊した旅館の裏にある山の頂上にある昔の砦跡です。

スマホの地図で見ると、すぐ近くに見えたので夕食前の散歩がてら、奥さんと歩いていってみました。


ところが、アプリの地図って、平面的な距離は分かるのですが、高低差は僕だけかもしれませんが、想定できませんでした。

なので、途中の道がアスファルトで車も多く行きかっていて、二人で「ハアハア」言いながら1時間以上もずっと、登っていました。


僕は毎朝、軽いジョギングしているので、それほどでもありませんでしたが、奥さんは「ハアハア」が「ヒイヒイ」に変わり、最後は涙ぐんでました。

それでも、たどり着いた頂上は予想よりも広くて景色もパノラマで、砦もリアルに復元されていて、下手な観光地よりも掘り出し物でした。


結構な感動をもらったのと、帰りは下りだったので奥さんも機嫌を直してくれました。

只、奥さんの「ヒイヒイ」をビデオに撮影しておきたかったなぁと、「悪魔の進ちゃん」の僕は思ったのでした。(^o^)


さて、本題です。


冒頭でも述べましたが、今回の旅館は格安料金で、2泊3日朝夕食事付で二人で3万円を切りました。

温泉付きで部屋も広くて、かなりの割安感です。

ただし、施設は古くて大浴場の窓も錆ついていたりと、御愛嬌もありましたけど、十分でした。


食事については次回で述べますが、今回は食事会場について述べます。

和風旅館なので、大部屋の畳敷きにテーブルと座椅子を並べたオーソドックスなスタイルです。

古い建物の割には小奇麗にレイアウトされていて、外国人が来てもコスパが良い和風旅館として人気があるようです。


これだけでは「エッセイ」としては物足りないのですが、ちゃんと「小ネタ」がありました。


格安とはいえ、旅行はやっぱり楽しい。

砦との往復の疲れも温泉で癒せた奥さんも、嬉しそうに食卓につきました。


特に主婦である奥さんにとって、「上げ膳据え膳」なら何でもOKですが、色々並べられた料理に目をキラキラさせてます。

和やかに会話しながらの食事の途中で、ふと、気づきました。


「何か、へんじゃない・・・?」

「えっ、何が・・・?」


僕の問いに、奥さんは不思議そうに聞き返します。

僕はようやく確信が持てて、言いました。


「これ、愛のコリーダだよ。」


そうです。

何と、BGMに懐かしいポップス曲「愛のコリーダ」が流れていたのです。


和風旅館に欧米のポップス。

その違和感で、しばらく聞いていると。


その当時に流行していたポップスが、次々と流れてきます。

たぶん、「80年代ヒットポップス」的なCDを再生していたのようです。


僕の想像ですが、旅館の女将が若い頃に聞いたCDをBGMに使ってるのじゃないかと。

どうしてシンプルに、琴や和楽器のBGMにしなかったのか、不思議です。


女将さん。

よほど、ポップスが好きだったのですかね。


従業員の方々は殆どが、かなり年配の人ばかりで。

とても、「欧米ポップス」の雰囲気ではありませんでしたが。


僕も年代が古いですけど、「愛のコリーダ」以外は思い出せる曲もなくて。

そのまま、食事を続けていました。


デザートも食べて、コーヒーを飲んでいる頃。


「んっ・・・・?」

又、違和感を抱きました。


そうです。

皆さんの予想通りです。


「愛のコリーダ」が流れてきたのです。


「これ、エンドレス再生・・・?」

僕の言葉に、奥さんは噴き出しました。


二人は笑いを我慢しながら、コーヒーも残して部屋に戻りました。

何と、この旅館のBGMは「80年代ヒットポップス」がひたすら流れていたのです。


僕は何だか、嬉しくなりました。

今も奥さんと、この話で盛り上がります。


格安料金での、楽しいエピソードでした。


※※※※※※※※※※※※※※※


おまけです。


翌朝、朝食会場に行くと。

やはり、流れていました。


「愛のコリーダ」が。


この旅館に幸あれ!

その時僕は、そう思いました。


昨日、HPを見たら、まだその旅館は営業していました。

良かったです。


まだ、「愛のコリーダ」は流れているのでしょうか・・・。(^o^)

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