DREAM=SanatoN

ガリアンデル

DATA=1 NAS#1



「誰だろうこの人」

 そう呟いた少年は同時に周囲を見渡し、この場所が自分の知らない場所である事を思いた。

 ぴん、ぴん、と一定のリズムを刻む音が響く一室。部屋内は白のみを基調とした物ばかりで装飾された無機質かつそれ故の美しさすら備えている。その部屋の中央、そこにもまたこの部屋に相応しいモノ、、が横たわっていた。

 純白のベッドの上には白の長髪、陶器の様な美しい肌の若い女性が微かな寝息と共に双眸を伏せている。

 その眠る彼女の身体には似つかわしく無い幾つもの機械の管が繋がっており、それらは心電図や脈拍、血圧、体温だけではなく、それ以外にも用途不明な数値を測定していた。

「なんの機械なんだろう。ドクターなら知ってるかな?」

 少年が脳裏に浮かべたのは顔の分からない長身痩躯の白衣を纏う人物だった。少年にとってドクターとは分からない事を教えてくれる存在、父親や母親、教師などであり、少年はそのドクターなる人物の下で暮らしている。

「こんな事初めてだし、分からないなぁ……」

 眠る白い女性を見下ろしながら少年は首を傾げていたが、少年はドクターからの言葉もとい忠告を思い出した。

『いいかいレルム。キミにとって知らない物や場所それに人が出てきた時、それはとても危険な兆候だ。だからその時どういう行動をするべきか教えておこう────』

 そこまで思い出して少年は状況を理解した。

「早くここから出なきゃ!」

 少年が女性に背を向けて部屋の唯一の出入り口であるドアの方を向いた。

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