携番

俺はハルとハルママに携番を教えてくれとしつこくせがまれたが

いや、教えるほどのこともないです、などと意味不明に断り、

逃げてきた。散々な目に遭った翌日のこと。

学校に行くと、春川ハルが女子の中できゃいきゃい

はしゃいでいた。

耳を澄まさずとも聞こえてきてしまうハイトーンボイス。

「聞いてよー!!!あのね、昨日ね、うちにすんごいイケメンが

訪ねてきたのよ、芸能人かと思ったんだけど

どうもそうじゃないらしいの」

「ママがね、渋谷で行き会ってそれからお米を運ぶのを

手伝ってくれてさ、優しいのよー」

「へー、ハル、写真とかあんの?あったらみたいんだけどー」

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