第6話
かくして俺は先輩をカップラで買収し、
イケメンにしてもらう約束を取り付けた。
実は俺、美容室なんて行ったことないので産まれて初めて顔を出したわけだが、当然、
床屋の散髪代みたいに安くはなかった。
「この際だからカラーリングもしよう!
で、今流行りのツーブロックにして、
もういっそ、髪の毛脱色して金髪にしよう!」
先輩はカップラ1ケースに気を良くして
予算オーバーだと言う俺の背中を押すべく
美容室代を肩代わり(持ってくれた)
「すみません、先輩...!いつかこの御恩は
返します...!!」
「ああ...頼むよって...おまえ!!」
「え、なんすか?俺の顔見て何そんな驚いているんです?」
「あああ...!磨けば俺よか男前じゃねぇか...!!ムカつく...!」
「え、ちょっと...!!」
先輩は美容師が折角ワックスでセットしてくれこのまま帰ってもいいですよ、と言ってくれていたのだが、先輩によって
グシャグシャにされた。
「俺よか男前過ぎるから加減してやった。
俺よかちょっと劣るぐらいにしておかないと...!この後、渋谷にナンパしに行く予定だからおまえの方が俺よか目立っちゃ色々とまずいんだよ...!」
「は、はぁ...」
俺は続けて、
「つまり俺はあくまで先輩の引き立て役ってことですね。なんか、イケメンって言われて嬉しかったんですが、一気に冷めました。
ま、でも、今、この無造作ヘアの状態でもなんかショップの窓に映りこむ自分は自画自賛になったまいますけど、かっこいいですね、、」
「まぁな。俺よりは劣るけど。
カッコいいよ。シンジ、自信持てよ」
「うす」
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