第320話 見落としがあるような
謝った情報を渡すかもしれない、と前置きしてから
「人の意識があるかどうかです。人間としての意識が戻らなければ初期転化であろうが
「転化は異界の浸食なので、
「判定は誰がするの?」
「判定は転化解除を行う人達が決めているので、私達はそれに従うだけです」
「説明有難う」
「いえ! 気になることがあったらどんどん聞いてください!」
聞きたいことを終えた
ページをスライドしていくと、『がいさい』の説明があったので目を留める。
戦闘時の行動をもとに図鑑のようにまとめられているが、スカスカで殆ど記されていなかった。
(初めて
がいさいのページを閉じると、書きかけの報告書が画面に出てきた。
ドームに行くまでの戦闘経過を書き終わったので、残りはドームの戦闘についての記載だ。箇条書きにしてある程度埋めたところで、
「リミット乙姫の三人が
一つ食べただけでは
沢山食べたとはいえ、激しく歌って踊るライブ前で沢山食べられるとは思わなかった。販売しているサイズは一袋二十個入り。十五個入り、七個入だった。
よくて一袋二十個を三人で食べるくらいだろうと考えている横で、
「同メンバーの証言によると、グミを頂いた日はライブの五日前のようです。詩織さん、琴子さん、清美さんは頂いたその日から毎日一袋……最低でも二十個を食べ続けていたようです。マネージャーやスタッフ達はライブ前日から当日にかけて、数個ほど食べていたと証言があります。この証言はグミを食べていないスタッフから聞いた話です」
(だとすると、偶然ではなく
腕を組んで、首を傾ける。何か見落としている気がしてならないからだ。
(私があの場に居れば答えが出たかもしれないけど……断片を回収するにしては情報が少ない。ライブ中に上手く発動できる確率は……ライブ中……その前は?)
「
「はい。やっていました。勢いがあったし、とっても振り付けや歌声が可愛かったです!」
その場の興奮を思い出したのか、
「本番との違いってなにかあった?」
「リハーサルは音出しから始まって、音響チェックが終わってから、リミット乙姫がステージに入り、歌いながら立ち位置のチェックをしていました。歌はライブに使う曲でワンフレーズ、もしくはハモリがあるサビ歌った後に終わりました」
「その時は誰も体調を崩してなかった?」
「はい、そんな話は耳にしませんでした」
(リハと本番の違いは歌や音楽の長さになる。だけど歌はテレビやラジオでも流れていたはず……)
「あと余計な情報かもしれませんが、
死骸を解析すると故人が判別する。
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