第21話 岸田くんと彼女
えっと、どこから話したらいいのでしょうか。
あ、僕の名前は岸田
本当にありがとうございました。あの
彼女と会ったのは、小学5年生の頃でした。公園で一人ゲームをしてたんです。家でゲームをしていると、ゲームばっかりしてないで勉強しろとうるさく親に言われるもので。
友達ですか? あんまり遊ぶ友達はいませんでしたね。学校ではともかく、学校が終わってから遊ぶような友達はいませんでした。みんな、塾とか習い事してましたし。僕はそう言うのやってなかったので。
どちらかというと、おとなしい方でしたね。一人でゲームをしているのが好きな方でした。
え? モテただろうって? そうですね。モテた方かもしれませんが、それって何かいいことあります?
高坂さんもモテそうですけど、いいことありましたか?
え? モテない? 嘘ですよね? 妹さんも学校で一番美人と言われて、人気あるみたいだし。
え? 妹は世界一美人だって? あ、そうですね。
ええ、女の子に人気があって良いことはありませんでしたよ。だいたい女の子と何を話せば良いのですか? ゲームの話ししたってつまらないですよね?
それに僕の友達が好きな女の子が、僕の事を好きだって。それで友達と気まずくなって。
それって僕が悪いのですか?
そんな時に彼女と出会いました。公園で一人ゲームをしていたときです。
彼女からゲームの話題で話しかけてきました。彼女は男の子の好きなゲームに詳しかったです。いえ、男の子の好きなゲームだけじゃなくて、大抵のジャンルのゲームに詳しかったですね。廃ゲーマーでした。
彼女はあの時25歳でした。見た目は大人の女性でしたが、中身は子供でしたよ。学校友達とゲームの話をするような気安さでした。
話の流れで、彼女の部屋でゲームをすることになりました。彼女はスマホゲームばかりのライトユーザーではなくて、コンシューマやパソコンでゲームをするヘビーユーザーでした。僕もパソコンでインターネット対戦とか興味ありましたので。
彼女は独り暮らしでした。アパートを借りてました。そこで僕は彼女と二人でゲームをするようになりました。彼女は仕事をやめて時間が有り余ってましたから。
そうですね。小学生の男の子をアパートに入れる25歳の大人の女性も、知らない大人についていく小学5年生もどうかしてますよね。僕も彼女もそれがおかしな事だとは思て無かったのかな?
ええ、僕たちはどうかしてたんです。
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