第27話
「はいよ、それとアンタの身体内部にいる虫の攻撃命令も引っ込めてくれると助かる。」
さっきから腹の中にいる寄生虫みたいな奴の生命の鼓動が聴こえるんだよね。
記憶にもあったけど、コレ自分で飲み込んだみたい。
虫は威嚇しているのか、物凄い躍動感。
「この子に気づいてたの。
でもごめんなさい。
私はこの子のことを制御できないの。」
その言葉と共に腹を食い破って出てきた。
女は腹を食い破られて死んでいる。
陰陽師に用があったのはこの虫を排除するためだった。
「cutiicutii」
「記憶を統べてみたわけじゃないが。」
潜伏期間は10年、その期間は封印期間とも言われ外に出ればまたとなく暴れだす。
その説明が入っていたんだよなあ。
ちなみに封印を食い破られたら、運が良ければ絶命してから生き返ることができるらしい。
「あーあー。めんど。」
寄生虫的なモンスターは腐るほど相手にしてきた。
某ゲームの4だったかに出てきたゾンビから顔を出すような輩も数多く、厄介な敵だった。
そして、あんまり手に触れたくない。
寄生虫の中に寄生虫とか、気持ち悪い連鎖があったりするから基本は投擲で倒すのが一番の敵。
体重3トン、空気抵抗無、地面強度相応、酸素量普段の三倍、肉体内臓系統最適化、反応思考能力速度1/60、気圧正常化完了
寄生虫構成成分を分析、魔術波にZ波、B波を適応反応アリ。
魔術式・固有結界生成時の内容に訂正、酸素保有量0%に変換。
魔術波、Z波、B波をジャミング、魔術式の使用を不可。
呪術式・感情棄却発動。
魔術式・H波、K波、A波、I波複合型魔術波クロスプール組み込み完了。
身体強化術式、異常プロセスなし。
本体意識との差異無しを確認。
プロセスオールグリーン。
対象、crash型バッタ性節足生物に対する対処術式、作成準備OK。
これより、対象の殲滅に入る。
「高度な術式って疲れるんだよな。」
ま、今の俺にはそのつかれるという感情すら無いが。
寄生虫はこちらの異変を感じ取ったのか、空気を生成し、風をこちらに向けてきた。
やはり空気は生成するか。
しかし、もう一つの目的には気が付いていないようだったので良とはできる。
「残念だな。」
もう止まって見えるのだから、その攻撃も一切通ずることなく終わりを迎えていることに気が付いていない。
魔術式・H波、K波、A波、I波複合型魔術波
これらの魔術式はcrash型の使う魔術、呪術を無効化する術式。
分析しながら対処術式を組むことでその相乗効果はさらに高まる。
常時対処されていく術式の速さはリアルタイムで修正が可能。
よって1秒を1分にまで凝縮した身体はゆっくりとゆっくりと、歩みながら寄生虫の命を刈り取っていた。
寄生虫はその1秒を一生分の時間を凝縮して死した。
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